関西電力本店(中央)=大阪市北区で、本社ヘリから木葉健二撮影

 大手電力4グループが電力販売で独占禁止法が禁じるカルテルを結んでいた問題を巡り、会社に損害を与えたとして、関西電力の株主が八木誠元会長など当時の経営陣ら12人に、約3500億円を関電に賠償するよう求める株主代表訴訟の第1回口頭弁論が7日、大阪地裁であった。経営陣側は請求棄却を求めた。

 訴状によると、関電は2018年10~11月、中部、中国、九州の電力3グループに顧客獲得の営業を制限するよう持ちかけて各社が合意した。公正取引委員会は23年3月に独占禁止法違反と認定し、関電を除く電力3グループに対し、計約1010億円の課徴金納付命令を出した。関電は外部の指摘を受けて公取委にカルテルを自主申告し、課徴金減免制度(リーニエンシー)で処分を免れた。

 株主側は「経営陣側はカルテルに関与し、黙認した」と主張。自治体から公共事業の入札資格停止処分を受けたほか、カルテルによって本来より高い電気代を支払わされた顧客に対して賠償義務が生じるなど「会社に多大な損害を与えた」と訴えている。【木島諒子】

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