スマリボックスで荷物を配送できる(メルカリ提供)

 フリマアプリ「メルカリ」の新たな配送サービスが人気を集めている。商品の発送から受け取りまで非対面で行うのが特徴だが、メルカリの他の配送サービスに比べ料金が安いことが最大の魅力。燃料価格や人件費の高騰で、宅配便大手が料金を値上げする中、なぜ安価に抑えられているのだろうか。

ヤマト運輸や日本郵便配送より安く

 メルカリはアプリで売買した商品を、送り主や受取人がお互いに氏名や住所を知られることなく配送できるサービスを提供している。

 3月にスタートさせた新配送サービス「エコメルカリ便」は、コンビニエンスストアのローソン店内や駅に設置された投函(とうかん)ボックス「スマリボックス」に荷物を入れて発送し、受け取りは玄関先や宅配ボックスに置く「置き配」限定だ。

 このサービスを利用できる荷物は、最大100サイズ(3辺の長さの合計が100センチ以内)で、配送料は一律730円。既存の配送サービスで100サイズの荷物を送る場合と比較すると、ヤマト運輸が配送を担う「らくらくメルカリ便」より320円、日本郵便の「ゆうゆうメルカリ便」より340円も安い。

配送トラックの空き容量を活用

 スマリボックスは関東、関西、中京地区のローソンを中心に約3000カ所に設置されており、三菱商事が展開している。

 エコメルカリ便としてスマリボックスに投函された荷物は、ローソンに商品を配送したトラックドライバーが「ついで」に回収。三菱商事などが手配する配送センターで他の荷物と仕分けされ、企業間の小口配送などを担うSBS即配サポート(東京都江東区)が送り先まで配送する。ローソンの物流網に載せ、配送トラックの空き容量を活用することで、低価格を実現しているというわけだ。

 メルカリでは、出品者が送料を負担するケースが多く、送料の計算や梱包(こんぽう)サイズを小さく抑える手間が負担となっているとの声があった。同社広報は「(エコメルカリ便は)価格のお得感と利便性の両方があって好評だ。利用者が伸びてきている」と話す。

 エコメルカリ便は現在、出品者と購入者の両方が東京(島しょ部除く)、神奈川、埼玉、千葉の4都県に住んでいる場合にのみ利用できる。夏ごろまでに東海、関西エリアにも拡大する予定。【古屋敷尚子】

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