トヨタ自動車やマツダなど5社が国の認証を不正に取得していた問題で、国土交通省はトヨタ本社に立ち入り検査を行いました。不正をきっかけとした検査は初めてのことです。

記者
「午前9時半前です。道路運送車両法に基づき、国交省がトヨタ自動車本社に立ち入り検査にはいります」

きょう、国交省の検査官はトヨタ自動車本社で試験データの確認したほか、担当者への聞き取りを行いました。

トヨタ自動車 豊田章男 会長
「本当に申し訳ございませんでした。こうした行為は認証制度の根底を揺るがすもので、自動車メーカーとして絶対にやってはいけないことだと考えている」

認証不正があったのは、現在も生産中の「ヤリス クロス」など3車種と「クラウン」など生産を終了した4車種のあわせて7車種です。

クラウンで行った衝突試験の映像。今回の不正があった試験ではありませんが、エアバッグの試験で不正があったと報告されました。

こうした試験での不正の影響は広がりを見せています。

オートプラザ・ストリーム 泉谷叡 店長
「こちらが『ヤリス クロス』になります。3年落ちのモデルになるが、今でも人気車種」

扱う車の8割がトヨタ車というこちらの店では在庫を抱えていますが、今後の売れ行き次第では格安で売らざるを得ないといいます。

オートプラザ・ストリーム 泉谷叡 店長
「一般的に出されている価格よりは、かなりマイナスになる。赤字になってしまう」

宮城県のトヨタ自動車東日本の工場では、認証不正の対象となった3車種すべてを生産していますが、今月6日から生産を停止することにしています。

生産停止で心配されるのが…

齋藤健 経済産業大臣
「生産停止にともなうサプライヤー(取引先)等への影響を速やかに調査し、その結果を踏まえて、必要な対策について検討したい」

トヨタの3車種だけでも部品メーカーなど、取引先は1000社以上にのぼります。齋藤経産大臣は関連産業全体への影響を調査する考えを明らかにしました。

立ち入り検査を行った国交省は…

斉藤鉄夫 国土交通大臣
「現時点で確認されている限りでは、ダイハツ工業の不正事案に比べ、対象の車種や生産台数は限定的だと認識している」

そのうえで経済への影響を抑えるため、国の安全性の基準にあうかどうか、確認試験を速やかに行うとしています。

550万人の雇用を支える自動車関連産業で起きた今回の不正は、経済への影響も含め、今後も大きな影響が出そうです。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。