大阪府高槻市がブドウの町になるかもしれません。

高槻市出身のアイドル村上信五さんが挑戦する、ブドウでの街おこしのプロジェクトが始まり、3日「農園びらき」を行いました。


■現役アイドルと農業ベンチャー企業がブドウで街おこし

農園に現れた高槻市出身の村上信五さん。現役アイドルの村上さんは農業ベンチャー企業「ノウタス」が進める、ブドウの未来を変える「パープルMプロジェクト」のリーダーです。

同じ高槻市出身のノウタス代表、高橋明久さんとタッグを組み目指すのは…。

【ノウタス パープルM事業VP 村上信五さん】「SUPEREIGHTでのメンバーカラーが紫色、パープルなんですよ。マスカットのMと村上のMを足して、『パープルM』みたいな新品種作れないですかねって。高槻の中でも過疎化している部分を目の当たりにしたので、ブドウを通じて地域の活性化と、ひいては高槻のために」


この「パープルMプロジェクト」は、農家の課題解決を目指すノウタスの事業の1つとして、去年7月に始まりました。

これまでもオンラインのブドウ狩りや、加工品の販売、海外展開などブドウの価値を高める新たな挑戦を進めてきました。

その中で、今回始めた「高槻産ブドウの開発」。

■実は…高槻市はブドウ栽培に適している かつて高槻産ブドウとして販売されていた「山霧ぶどう」

そもそも、高槻市でブドウは育つのでしょうか?

【ノウタス 高橋明久代表取締役会長】「今ある木を抜くところからですね。たまに、まだ生きてる。これもしかしたら、生きてるかもしれない」

ノウタスが選んだ農園は、かつて地元の農家などがブドウを栽培していましたが、今は誰も手入れしていません。

しかしこの樫田地区には、きれいな水が流れ、ブドウ作りにも適しているんだそう。


高槻産ブドウとして販売されていた「山霧ぶどう」は、「大粒ぶどうの自信作」と書かれています。個人で栽培して直売所で売られることもあり、地元の人にとって、ブドウは身近なフルーツ。

【JAたかつき 大西英嗣さん】「できたブドウをここで販売したら、すぐ売れます。高槻の寒暖差が激しいところではブドウが適してるみたいなんです。(パープルMには)もちろん期待があります」

2018年に発生した台風21号で高槻市も大きな被害を受け、ブドウ農家は後継者不足などを理由に、農業をやめていきました。


■「農業のイメージを刷新したい」 未来の農業を高槻から世界へ

ノウタスは農家が抱える課題をどう解決していくのでしょうか。3日、高槻市と街づくりにむけた連携協定を結び、村上さんが今後の展望を話しました。

【ノウタス パープルM事業VP 村上信五さん】「テクノロジーも活用しつつ、地域住民の方と、(農業に)特化したスキルを持つ企業も参画して、新たな農業の形態ができないか」

【高槻市 濱田剛史市長】「芸能界であそこまでいってはりますから、何やってもできはりますよ。ブドウでもすごいのを、パーっと作るんじゃないですか」

【ノウタス パープルM事業VP 村上信五さん】「市長、そんな簡単に言わんといてください」

今後3年で新種のブドウの発表を目指すパープルM。テレワークで農業に参加できるよう整備したり、体験型の農園をつくり観光客を誘致したりするなど、農業に関わる人を増やしていくということです。

【ノウタスパープルM事業VP 村上信五さん】「畑に行かないと農業じゃないというイメージの刷新という使命感もあります」

ブドウをきっかけとした農業の未来づくり。高槻から世界に発信したいとしています。


■ブドウ作りに付加価値を付けて好循環を生み出せるか

ブドウ農家は後継者不足に直面していて、村上さんの取り組みはどのようにでるでしょうか。

【共同通信社 太田昌克さん】「いくたの困難があると思うのですが、面白いのが新しい農業の形態です。それは付加価値をつけようということです。ブドウ作って、ワインにしたり、色んなステークホルダー、関わる人を増やして、街を盛り上げていこう、そこにまた外から人が飛び込んでくるという、好循環を作ろうとしてるのが非常に面白いですね。ぜひ応援したい」

雇用も生み出すでしょうし、テクノロジーの力を借りて、農業のあり方を変えようということで、地域の活性化につなげたいということです。

(関西テレビ「newsランナー」2024年6月3日放送)

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