みんなの銀行が入るビル=福岡市中央区で2021年6月21日午後2時25分、植田憲尚撮影

 ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)は31日、赤字が続く傘下のデジタル銀行「みんなの銀行」について、黒字が実現できない場合に備えた事業転換や撤退を検討していることを明らかにした。現時点では2027年度黒字達成を目標にしており、グループを挙げたてこ入れを図る。

 FFGは31日に福岡市内で記者会見を開き、五島久社長は「具体的に撤退を考えているということではない。サービス開始以降、多くの企業に興味を持っていただいている。強固な収益基盤を確立し、黒字化に向けて全力を尽くす」と述べた。

 みんなの銀行は21年5月末の開業以来赤字が続いており、関連会社を含む23年度の業績は93億円の赤字で24年度も同程度の損失を見込む。対応を問う声が投資家から上がっており、FFGが5月28日に東京都内で開いたアナリスト向け説明会で今後の方針を示した。五島社長は、27年度の黒字化が実現できない可能性を見据えた対応も進めると説明していた。

 みんなの銀行は個人向けローンと金融機能を外部企業に提供する「BaaS」事業を収益の柱にしている。FFGは13日にみんなの銀行への90億円の追加出資を発表したほか、大口顧客基盤先との協業の強化を進めている。【植田憲尚】

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