2024年2月に破産手続き開始の決定を受けている岩手県雫石町の老舗旅館「長栄館」が、5月27日に取引先を対象とした説明会を開き、事業譲渡のめどが依然立っていないことを明らかにしました。

雫石町の長栄館では新型コロナウイルスによる宿泊者数の減少などで債務超過に陥り、2024年1月には元社長が国の補助金をだまし取ったとして逮捕・起訴され、その後の2月には盛岡地方裁判所から破産手続き開始の決定を受けました。

長栄館では現在(5月27日時点)事業の譲渡先の選定を進めていて、27日は代理人の弁護士が取引先に対し状況を説明しました。

それによりますと、4月8日までに2社から提案書が出され、このうち1社からは最高入札額となる2億円が提示されましたが、長栄館が保有する不動産に抵当権を設定している金融機関がこの額での譲渡に難色を示しているということです。

代理人は本来5月末までに譲渡先を選定する予定でありながら、そのめどが立っていないとして陳謝しました。

長栄館の代理人 奥野善彦弁護士
「岩手県・地域・従業員のためにまだあきらめてはいけないのではないか。なんとかこの鶯宿温泉の火を消さないでやっていけないか」

長栄館では現在(5月27日時点)も従業員28人で営業を続けていて、今後も事業継続に向け金融機関と交渉を続けるとしています。

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