5月14日に開催された「第3回全国ミニトマト選手権」。最高金賞に選ばれたトマトの“おいしさの秘密”に迫りました。

 5月21日午前7時半、朝早くからリモートでのインタビューに応じてくれたのは農家の川越信治さん(47)です。長野県佐久市のSKファームで農業を営む川越さん。栽培したミニトマトの「クラシックトマト『ショパン』」が第3回全国ミニトマト選手権で最高金賞を受賞しました。

 (SKファーム 川越信治さん)「おかげさまで、14日に(MBSで)結果発表を取り上げていただいたと思いますが、その影響で近畿地方からネットショップでのご購入が大変増えました。大体3倍以上になっています」

 『ショパン』の特徴はなんといっても、クラシック音楽を聞かせて育てていることです。ミニトマトは「音楽を聞かせることで栄養の巡りがよくなる」などの研究結果があるそうですが、それ以外にも理由がありました。

 (川越信治さん)「音楽家を目指して勉強していたというのがひとつあります」

 実は、アメリカの音大で作曲を学んでいた川越さん。音楽家の夢は叶わずエンジニアに。ところが、就職した会社が32歳のころに倒産。重なる不運にも動じないのが川越さん。農業を始めるきっかけも至って自然でした。

 (川越信治さん)「農業は割と身近にあったような感じで。私が行っていた中学・高校で、授業の中で農業があったんです。エンジニアの会社が倒産したのをきっかけに、興味のある農業をやるか、エンジニアを続けるかという転機がありました。(Qなぜミニトマトの栽培を?)高糖度トマトに出会って、初めて食べたときにものすごい衝撃だったんです」

 ミニトマトを作って15年。もともと川越さんにあった“ひとつのものを突き詰める”というエンジニアの気質が栽培方法に生かされています。

 (川越信治さん)「水のあげ方としては、だいたいスプーン1杯分の水をどのタイミングで、どれくらい与えるか、という管理をしています。枯れるようなダメージを受ける1歩手前をずっと狙っていくような形です」

 水分が少ないと養分が凝縮され、甘くなるというミニトマト。ギリギリの環境で栽培しているため、常にミニトマトの状態を確認する必要があります。

 (川越信治さん)「半日ちょっと休もうかなとか、ちょっと目を離そうかなとか、そういうことをすると、何か月も積み上げてきたものを1日で台なしにしてしまう。(Qショパンはどんなミニトマトですか?)特徴としては甘い。甘さのほかに酸味とのバランスがあったり。余韻がとてもあるものなんです。一口召し上がっていただくと、感動のおいしさで驚いていただけると思います」

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