キリンホールディングス(HD)の南方健志社長は毎日新聞の取材で、政府が機能性表示食品の制度見直しを検討することについて「どのような制度であっても、事業者が責任を持って厳格に運用することが重要だ」と述べ、食の安全・安心を巡る企業の責任を強調した。その上で、健康食品市場に今後も注力する方針を明らかにした。
小林製薬の紅こうじ原料を使ったサプリメントが原因とみられる健康被害が相次いでいることを受け、政府は機能性表示食品の「今後のあり方」について5月末をめどに検討結果を取りまとめる方針だ。
南方社長は、健康食品市場について「食事だけでは賄えない栄養をサプリメントなどでとりたいというニーズは大きい」と長期的に成長が期待されると指摘。機能性表示食品のあり方に注目が集まっている現状を受け、「事業側が高い意識、倫理観を持って制度を運用しなければいけないと突きつけられている。自己点検の機会にしていくべきだ」とも語った。
キリンHDは免疫機能の維持に効果が認められている「プラズマ乳酸菌」を開発。機能性表示食品としてサプリメントや飲料など幅広い商品に配合している。また、2023年に買収した健康食品事業を手がけるオーストラリアのブラックモアズ社を通じて、25年までにプラズマ乳酸菌を使った商品を豪州などで販売する計画を明らかにした。
また、同社は新ブランドのビール「晴れ風」を2日に発売。初年度の販売目標430万ケース(1ケース大瓶20本換算)に対し、販売開始2週目で100万ケースを達成見込みだという。
南方氏は3月28日付でキリンHDの社長最高執行責任者(COO)に就任した。【加藤結花】
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