回転ずし大手「スシロー」の看板=2022年6月、沼田亮撮影

 回転ずし大手のスシローを運営する「あきんどスシロー」(大阪府吹田市)がアルバイトの5分未満の賃金を支払っていなかった問題で、同社は退職者を含めたパート・アルバイト従業員に是正措置を取ることを決めた。ホームぺージ(HP)で明らかにした。

 同社を巡っては「スシローヤエチカ店」(東京都中央区)で働いていた男性アルバイトが、5分未満の労働時間が切り捨てられていたとして、所属する労働組合の首都圏青年ユニオンを通じて2023年7月に労働基準監督署に申告。同年12月25日に是正勧告が出された。組合は埼玉県や仙台市で働く従業員についても同様の申告をしており、切り捨ての合計が月80分前後に上るケースもあったという。

 同社は4月16日のニュースリリースで「各労基署と相談を重ねた上で是正措置を実施します」と表明。21年4月~22年8月に勤務していた従業員に相当額を支払うとしている。HPからの申告を呼びかけている。

 支払い期間を定めた理由や金額について、同社広報課は毎日新聞の取材に「是正勧告の内容についての回答は差し控えたい」としつつ「従業員の満足を得られるような方向性を決めた」と回答した。

 首都圏青年ユニオンの尾林哲矢事務局長は「会社が組合員以外の従業員を含めて過去分を支払うことについては一定の評価をする。どこまでさかのぼるかを含めた交渉を続ける」と話している。【東海林智】

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