草加市のふるさと納税の返礼品で人気のトイレットロールやティッシュペーパー=埼玉県越谷市で2024年5月2日、武田良敬撮影

 埼玉県草加市のふるさと納税の寄付受け入れ額が2023年度、前年度の倍以上の5億5000万円に上る見通しとなった。市内に工場がある「日本製紙クレシア」(本社・東京)の紙製品を返礼品とする寄付が約4億円に上ったためだ。同工場がティッシュペーパーを生産し始めてから今年で60周年。「これも名産品」と市民の喜ぶ声も上がっている。【武田良敬】

 同市の23年度の返礼品は255種類(56事業者)。寄付獲得に本格的に取り組み始めたのは15年度からで、当初は伝統の「草加せんべい」や革製品、渡辺教具製作所の地球儀、昭和西川のまくらなどが人気で、年3000万~7000万円の寄付が集まった。

 それが20年度にクレシア社の紙製品が加わって以降、寄付件数・総額とも急増。20年度は870件(4461万円)だったが、22年度には1万2861件(2億660万円)、23年度は約3万7000件(約5億5000万円)に達した。

 このうち、クレシア製品を返礼品とした寄付件数は、20年度の46件(92万円)から21年度に1548件(1953万円)、22年度に1万697件(1億1816万円)と増え、23年度は約3万3000件(約4億円)に。同年度は寄付総額の約73%を占めた。

 人気の返礼品は「スコッティ・3倍長持ちトイレットロール」24ロール分(寄付額1万1000円)など。市の担当者は、「ふるさと納税に関するインターネットサイトも増え、定着してきた。食品だけでなく日用品のブームもあり人気があるようだ。コロナ禍の巣ごもり需要もきっかけかも」と見る。

 日本製紙クレシアによると、同東京工場(草加市松江)は1964年、前身の旧「十條キンバリー」が米国企業と合弁で「クリネックス」ブランドの箱形ティッシュの生産を始め、66年からトイレットペーパーも製造。その後、製紙業界の合併・再編を経て「スコッティ」ブランドの商品も生産している。同社の紙製品は工場がある京都府福知山市や神奈川県開成町でも返礼品となっている。

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