ソフトバンクグループ(SBG)が13日発表した2024年3月期連結決算(国際会計基準)は、最終(当期)損益が2276億円の赤字(前期は9701億円の赤字)だった。ドル建ての負債を抱えるため、円安が響いた。最終赤字は3期連続。一方、世界的な株高で投資先の企業価値が増加し、赤字幅は大幅に縮小した。
投資事業が中心のSBGは株式市況の影響を受けやすく、業績は乱高下してきた。21年3月期に国内企業として当時、過去最高の4兆9879億円の最終利益を記録。22年3月期には一転、過去最大の1兆7080億円の赤字となり、それ以降赤字が続いている。
24年3月期は、創業10年未満の新興企業を投資対象とした傘下の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」の損失が市況の改善で1672億円と前期(5兆3222億円)から大幅に改善した。しかし、経営破綻した米シェアオフィス大手、ウィーワークなどの投資損失が響いた。また、昨年度は17円以上円安が進み、保有するドル建ての負債が円ベースで膨らみ、為替差損として7031億円の損失を計上した。売上高は前期比2・8%増の6兆7565億円だった。
SBGは英半導体設計大手のアームなど人工知能(AI)分野への投資に力を入れる方針。後藤芳光最高財務責任者(CFO)は決算発表の記者会見で「一昨年、1年前と比較して順調に成長できた。AIシフトを実現するために変化していきたい」と語った。【古屋敷尚子、藤渕志保】
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