街を行き交う人たち=東京都千代田区で2023年1月29日、丸山博撮影

 さまざまな業界で人手不足が深刻化するなか、短時間や数日など都合の良い時間帯で働く「スキマバイト」に注目が集まっている。バイト紹介アプリ「Timee(タイミー)」を運営する「タイミー」(東京)によると、特に55歳以上の利用者がこの1年で倍増しているという。

 タイミーに登録している55歳以上の人は、2024年3月時点で約38万人と前年同月に比べ約2・1倍増になっている。この層を対象に「働きに行った先に長期就業を打診されたことはあるか」と尋ねると、「はい」は49%と半数近くが経験。スキマバイトをきっかけに、就業先から「スカウト」を受けるケースも多いようだ。

 55歳以上の登録者に、実際にどのような職種で働いたかを複数回答で聞いたところ、最も多かったのは、軽作業で68%を占めた。以下、飲食(45%)▽ホテル(22%)▽接客(同)――と続いた。比較的体力を使わない作業や、接客を伴う仕事が人気だった。

 働く理由(複数回答)は「生活費を補うため」(71%)、「空き時間を有効活用するため」(60%)が目立った。「これまで働いたことのない業種を経験してみたいと思った」(38%)という人も多く、お試し感覚で働けることに魅力を感じる人もいるようだ。65歳以上に限ると、「適度に体を動かすことによる健康維持のため」など健康への関心が高いシニアならではの意見もあった。

 55歳以上のスキマバイトの人気について、タイミーは「働く時間や場所、内容が選べる選択肢の広さが支持されているのではないか」と分析している。【嶋田夕子】

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