ホンダは、現行モデルに比べ燃費を10%以上改善した次世代ハイブリッドシステムを開発した。2026年に投入するハイブリッド車(HV)から搭載する。低燃費かつ高出力で走行できる領域を拡大した新型エンジンを開発し、走行性や操作性も向上させる。他社との違いを生み出し、ホンダのHVの「顔」にする狙いで、30年までに23年比倍増となる130万台の販売を目指す。
HVはモーターとエンジンの組み合わせで走行し、加速時や低速時には主にモーターが、高速時や定速走行時には主にエンジンがタイヤを駆動させる。
ホンダのHVシステム「e:HEV」の次世代版は、エンジンが高い燃焼効率で作動できる領域を30~40%拡大。従来は時速60~70キロ以上の高速走行時に適用されていたエンジン走行モードを、より低速域から適用するなどエンジン活用を増やす。26年以降に投入するホンダのHV全てに搭載する予定だ。
ホンダは1999年に発売したHV「インサイト」に初めてHVシステムを搭載し、効率化とコスト改善を進めてきた。次世代システムは、18年に市場投入したHVシステムに比べて生産コストが約半減するという。
林賢一郎パワーユニット開発統括部長は次世代システムについて、エンジンの燃焼効率が理論的な限界値に近づきつつあり、「HVの最終的な到達点に近づきつつある」という見解を示す。
ホンダは40年までに世界で販売する新車を全て電気自動車か燃料電池車にする方針を掲げている。30年ごろにHVの販売台数がピークを迎えるとみており、移行期間をHVで戦う姿勢を鮮明にしている。【秋丸生帆】
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