三菱UFJ銀行の40代の女性行員が貸金庫から金品を盗んだ問題で16日、半沢淳一頭取が謝罪をしました。行員はおよそ4年半にわたって、およそ60人の利用客から十数億円分の金品を盗み続けていました。
■問題発覚から1カ月半…半沢頭取が謝罪
半沢頭取
「信頼・信用という銀行ビジネスの根幹を揺るがすものと、厳粛に受けとめており、お客様、関係者のみなさまに心よりおわび申し上げます」
問題発覚から1カ月半、会見で頭を深く下げ謝罪した三菱UFJ銀行の半沢頭取。問題となった場所は「貸金庫」。
都内にある会員制の貸金庫(三菱UFJ銀行とは関係ありません)は原則、利用者本人しか開けられない秘匿性が高いサービスだ。
三菱UFJ銀行のホームページでも「かけがえのない財産を、安全にお預かりします」「おまかせください」と紹介している。
厳重なセキュリティーの貸金庫から盗み出された金品は、4年間で十数億円相当。会見で明らかにされたのは、驚きの手口だった。
■被害が分からなかった背景も明らかに
60人分の金庫の中身を繰り返し盗んでいたのは、40代の元行員の女性。被害に遭った練馬と玉川の支店で支店長代理を務め、貸金庫の管理責任者だった。
貸金庫を開けるには2つの鍵が必要だが、紛失に備えてスペアキーの「予備カギ」を銀行側で保管。予備カギは支店内で割り印を押し封筒に保管していたが、その予備カギを管理責任者の元行員が悪用していたのだ。
半沢頭取
「お客様から『貸金庫の中身が違っている』とご指摘を受け、私どもの中で調査して判明したものでございます」
発覚は今年の10月31日。4年間にわたり、被害が分からなかった背景も明らかになった。
三菱UFJ銀行 カスタマーサービス推進部
向井理人部長
「(利用者から)『貸金庫の中の確認したい』ですとか、数件そういった(発覚の)直前にお申し出があったんですが、ただ対応していたのが行為者本人でございまして。発覚を遅らせるような手だてをとったと」
調査を進めた結果、60人とは別に、さらに数十人の利用者から「被害を受けた可能性がある」との申し出があったという。
半沢頭取
「(元行員からは)投資等に流用しているという供述を得ています。ただ、なぜここまで犯行に手を染めて、これだけ多くのお客様からの資金を搾取するような行為に至ったか、十分な動機の解明が把握できていない」
■銀行の貸金庫利用者「不安」「びっくり」
元行員は「大変申し訳ないことをした」と調査に協力的だが、複数の銀行口座を使っているため、全容解明には至っていないという。銀行の貸金庫利用者からは…。
別の銀行の貸金庫利用者 70代 女性
「(貸金庫には)家の権利書とか通帳、お金のキャッシュも入ってるんですけど、宝石とか普段使わない宝石とか色々入ってます。銀行だったら大丈夫って思えるので、そういうところで、そういうの(窃盗)が起こると不安」
別の銀行の貸金庫利用者 80代 女性
「通帳とか色んな書類とか貸金庫に入れとけば、そのあとのことは安心かなと思って入れました。すごく私は銀行を信用してるんですけれども、今初めてそういうことを聞いたので、びっくりしてるんですよ」
被害があった玉川支店の貸金庫利用者は…。
被害はなかったが玉川支店の貸金庫を利用 60代 男性
「不動産の権利書とか、そういう書類を入れるために使ってるので。(銀行は)完全に安全な場所だと思っているので。そこで、銀行に預けてて取られちゃうっていうのは、じゃあどうすればいいんだっていうことですもんね。最後のとりでっていう感じがしますから。恐ろしいですよね」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年12月17日放送分より)
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