厚生労働省は2024年11月、若い世代が将来受け取れる年金がいくらになるのか5つのシミュレーションを発表しました。
これは2024年度に65歳になった人のケースですが、例えば平均的な賃金で20年以上働いた厚生年金中心の会社員は男性で月額約17万円、女性で月額約13万円受け取っています。
そして、経済成長が過去30年と同じとした場合、現在30歳の男性会社員が65歳で受け取れる年金は今の65歳よりも1カ月1万2000円減り、15万8000円と試算されました。
年間にすると14万円減ってしまう計算です。
また、女性会社員のケースでも年間で7万円以上減少することになります。
年金が減るかもしれないという試算ですが、不安を軽減するために私たちはどう備えればいいのでしょうか?
人生100年時代と言われ働く高齢者も増える中、高齢者の生活を支えてくれるのが年金です。
年金をもらっている高齢者に年金額に満足しているか聞きました。
年金受給者:(年金・月約10万円 夫約20万円)
今2人だけだからなんとか身の丈にあった生活をしている。ただ、孫が多いとお金もかかる。昨日も少し話したんだけど息子の時代は年金ももらえないかもしれないし、定年も伸びるし大変だねって
年金受給者:
国民年金だから安い12万円くらい。(Q.2カ月で?)そう、とても食えない
年金受給者:
たまにセーター買うくらい。子どもたちの時代には少し大変だと思う
満足していないという年金受給者がいる中、厚生労働省は35年後にもらえる年金が減るかもしれないという試算を発表しました。
将来、年金を受給する若い世代からは不安の声が聞かれました。
自営業:
今後どうなるかというのが不透明なので、できることを淡々としていくしかないのかなと思う。やっぱり不安はある
主婦:
子どもにかかる費用がどのくらいかはわからないが、きっとかかると思うので、何かもう1つ投資などでお金が増えるようなことをしたい
公務員:
(年金が)なくなるとか支給が遅くなると言われているのが怖い。どういうふうに財テク(資金運用)していくのがいいのかがわからないのが不安
経済成長に期待できず、年金への不安を抱える多くの人が期待を込めたのが資産運用です。
公務員:
NISAとか積立とかそういうのは勉強したい
自営業:
やはりNISAとかは 今話題にもなっているので、なるべく取り入れたりしている
主婦:
投資信託でNISAとか使って金融資産を増やしている
多くの人が口にしていたのが「NISA」ですが、金融庁によると約5人に1人が使っています。
NISAとは少額投資非課税制度のことです。
通常、投資で得た利益は約20%税金が課せられます。
例えば利益が10万円の場合は税金が約2万円となりますが「NISA口座」を利用した場合は税金がかかりません。
さらに2024年1月から流行語大賞にもノミネートされた「新NISA」が始まりました。
長期の積み立てを目的とした「つみたて投資枠」と株式にも投資できる「成長投資枠」が併用できるようになったほか、年間の投資上限額があわせて360万円まで広がり、1800万円までが非課税となっています。
このNISAをどう活用すればいいのでしょうか?
ファイナンシャルプランナーに聞きました。
静岡県焼津市にある保険代理店「アイマーク」のファイナンシャルプランナー・伊藤涼子さん。
新NISAが始まった2024年に入りNISAの相談件数はこれまでの約5倍になったといいます
ファイナンシャルプランナー・伊藤涼子さん
運用を全くやったことがないという人でも、1000円からでもやってみよう気持ちになれる仕組みですごくいい
NISAを始めるにはまず金融機関を選択し、そこで口座をつくります。
目標額を決めると月々どのくらい運用すればいいのかが見えてくるということで、現在25歳の私のシミュレーションをしていただきました。
ファイナンシャルプランナー・伊藤涼子さん:
無理のない範囲でスタートした方がいいと思うがいくらくらいに?
熊崎結萌アナウンサー:
あと40年間で、将来貰える金額が5000万円くらいあればいいかなと
月2万円を平均利率7%の人気の投資信託で65歳までの40年間運用すると…将来の運用資産額は5250万円となります。
ファイナンシャルプランナー・伊藤涼子さん:
運用収益の方がプラスになっている。雪だるま式と言われているが増えた分にも利息がつくので後半すごく伸びてくる
ただ、政府が旗振りをする制度とはいえ、損する可能性がないとは言い切れません。
ファイナンシャルプランナー・伊藤涼子さん:
投資なので元本割れのリスクもあるので、生活費は別で用意しつつスタートするのがいい。まず積立・長期・分散ですね。この3つを守っていれば初心者の方でも成功できると思う
初心者は毎月決まった金額を積み立てていく「つみたて投資枠」の活用がおすすめだそうです。リスクを分散しやすいのが特徴です。
年金をめぐっては、年金額を増やすため働く高齢者の年金が減額される「50万円の壁」を引き上げる案や高収入の現役世代の保険料負担を増やす案が検討されています。
楽しい将来のために投資も選択肢に入れてもよいかもしれません。
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