年末にかけて駆け込みの申し込みが増える「ふるさと納税」。今年は食料品の値上げや主食のコメ不足が家計を直撃し、返礼品のトレンドにも変化が生じている。
「高級な肉や海鮮といったぜいたく品よりも、生活に欠かせない品物の人気が高くなっている。生活防衛意識の高まりが色濃く出ている印象だ」。ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンク(東京)の担当者が最近の状況を説明する。
同社がまとめた2024年の寄付動向(1~11月)によると、今年は特にコメの人気が高く、寄付額は前年同期比で1・2倍に増加した。20~23年の年間ランキングでは、牛肉がずっと1位だったが、24年はコメが初めて首位となる見込みだ。大幅な値上げがあったオリーブオイルなどの食料品の人気も高いという。
食料品以外の生活必需品を返礼品として選ぶ人も多く、トイレットペーパーやティッシュペーパーの寄付額は、前年同期比で1・5~2倍に増えた。
時期的には、8月が寄付件数、金額ともに例年よりも伸びが目立った。トラストバンクは「南海トラフ地震臨時情報の発表があり、防災意識の高まりから食料などを備蓄しようと考えた人が増えたようだ」と分析する。
25年も原材料価格や物流費の上昇によって、食料品を中心に物価高が続くと予想される。トラストバンクの担当者は「ふるさと納税を活用し、うまく家計をやりくりしようというトレンドはしばらく続きそうだ」と指摘している。【成澤隼人】
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