秋田県北秋田市の秋田内陸線・比立内駅で5月1日、横浜市に住む夫婦が写真だけの結婚式「フォトウェディング」を行った。この駅は新婦にとって祖父母との思い出の場所。特別な1日になったようだ。

 北秋田市にある秋田内陸線の比立内駅。駅員のいる窓口などがない、いわゆる「無人駅」だ。

 無人駅で初めてとなるフォトウェディングを企画したのは、上村勇介さん・友美子さん夫妻だ。

 「こんなにカメラに囲まれることないよ」と照れ笑いを浮かべる新郎・勇介さん。新婦の友美子さんも「普通の新郎新婦は経験しないかもしれない」と笑顔を見せた。

 ともに関東の出身で、現在は横浜市に住んでいる2人。なぜこの場所を選んだのだろうか。

 上村友美子さん:
「私のおじいちゃんとおばあちゃんがこの辺りに住んでいるので、昔から子どもの頃からずっと遊びに来ていた大切な場所なので、ここで撮りたいなと思っていました」

 2020年に入籍した2人。コロナ禍で結婚式が挙げられないまま2年前、友美子さんの最愛の祖父・浪夫さんが天国に旅立った。この場所を選んだのは祖父母への強い思いがあるからだ。
 
 祖父母に会うために利用した思い出の車両との写真撮影。自然の中にもなじむようにと、2人の足元は色違いのスニーカーだ。ドレスはシンプルなデザインで、カジュアルな雰囲気にこだわったという。

 また、2人から車内の乗客に記念のキャンディーが手渡された。

 青空のもと迎えた門出の日。さまざまな思いがこみ上げる。

 上村勇介さん:
「こんな大自然の中で、内陸線にも協力してもらって、とてもいいフォトウェディングになったなと思う」

 上村友美子さん:
「おじいちゃん子だったので、ちっちゃい頃からかわいがってもらったので、花嫁姿を誰よりも一番見せたかった。写真での報告になるが、喜んでくれるかなと思う。内陸線の魅力をまだまだ知らいない人が全国にいっぱいいると思うので、こういった形で何かしら魅力が伝わればいいなと思う」

 秋田内陸縦貫鉄道・吉田裕幸社長:
「上村さまご夫妻の幸せ行き列車、出発進行!」

 乗客からも温かい祝福を受けた2人。末永くお幸せに!

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