去年秋に全国各地で大量発生したカメムシ。これまでは秋によく見かける虫のはずでしたが、春が訪れ、再び大量発生しているようです。

 5月2日の朝、大阪市北区にある毎日放送の周りにも、多くのカメムシがいました。

 (大吉洋平アナウンサー)「あ、これ、カメムシ。これカメムシですね。結構簡単にすぐに見つかりました。これもこれもこれも!この緑色もカメムシですね」

 街の人にも話を聞きました。

 「増えていますね。僕ら公園とかぶらぶらするからね。結構いてますね。そら絶滅してほしいですよ。こんなんおってもしょうがないからね」
 「うち9階なんですけど、やっぱりたまにいます。洗濯物についている。いや!もう臭いから!」

 大阪市淀川区にあるホームセンター「コーナン新大阪センイシティー店」でもカメムシ対策グッズがよく売れているといいます。

 (中筋章太副店長)「カメムシ専用商品は増えてきてはいるんですが、時期がいつもでしたら秋口に大量発生しますので、メーカーさんも生産が間に合っていないそうでして。入ってきた分だけ全部売れてしまうような形になっています」

 売り上げはなんと例年の10倍。現在は品薄状態が続いているということでこんなモノも。

 (中筋章太副店長)「カメムシという表記が商品名にはないんですけれどこちらの商品もカメムシに効果がございます。今年からこういう“カメムシにも効く”というポップを取り付けさせていただいております」

 カメムシ専用の商品がすぐに売り切れてしまうことから、ほかの殺虫剤を売り出しているそうです。

 (中筋章太副店長)「十分にお客さまの手に渡るように、数を入荷いたしまして、ご提供できるようにしていきたいです」

 カメムシの発生数を調査している和歌山・みなべの観測地点では過去10年で最も多いカメムシの発生量を記録。

 同様の調査をしている京都府の施設でも…。

 (京都府病害虫防除所 浅井信一専門幹)「虫を集める機械のデータなんですけれど、今年のデータと平年のデータで、今年は4月にすごくたくさん捕獲されている。これまでになかったことです。カメムシが早く出てくるということは、農業の果樹の方でモモとかウメとか収穫が早い果樹に傷を与えてしまい商品価値がなくなるということが特に心配されます」

 カメムシは近畿のみならず、南関東や中国・四国地方でも大量発生しているため、農林水産省は農作物に大きな被害が出るおそれがあると注意を呼びかけています。

 なぜ季節外れの春に大量発生しているのでしょうか。カメムシの生態に詳しい専門家に話を聞きました。

 (伊丹市昆虫館 長島聖大学芸員)「カメムシたちは冬越しをするんですね。冬越しを終わらせたカメムシたちがいろんな所へまた飛んでいく。冬越しをしてる間に死ぬものもたくさんいるので、去年の秋ほどでもないけれども、例年とは全然違うくらいの量のカメムシが見られる状況だと思います」

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