芸術や絶景・海の幸を五感で味わう沿岸の癒やし旅を、岩手めんこいテレビの井上智晶アナウンサーが紹介する。
井上智晶アナウンサー
「今回私が『推す旅』は、芸術と癒やしの旅です。まずは芸術から」
最初に訪れたのは岩手県の沿岸南部に位置する陸前高田市。
陸前高田市立博物館には、期間限定で今だけ見ることができる“あの傑作”が展示されている。
井上智晶アナウンサー
「ここだけの話ですが、私ずっと前からこれが見たかったんです。それがこちら、彫刻家ロダンの代表作・考える人です」
フランスの彫刻家・ロダンの代表作「考える人」。高さ１．８メートル、重さ９００キロ。
ロダンが作った原型から公式に鋳造された大型のブロンズ像は国内に４体、世界でも２０体ほどしかない貴重な作品だ。
井上智晶アナウンサー
「実物は思っていた以上に大きくて迫力がありますね。こんなに近くで見られるなんて感激です」
この「考える人」は、もともと展示していた愛知・名古屋市博物館が改修のために長期間休館することから、東日本大震災を機に友好協定を結んだ陸前高田市に無償で貸し出された。
２０２３年１１月から３年間の期間限定で展示されている。
東日本大震災で被災した陸前高田市立博物館は、２０２２年に場所を変えてリニューアルオープンした。
館内には修復された資料や標本など約７０００点が展示され、三陸の自然や文化、震災について学ぶことができる。
世界的な芸術に触れたあとは、隣の大船渡市へ。
井上智晶アナウンサー
「続いて紹介するのは芸術作品のような『絶景』と『海の幸』です。お目当ての場所はあちら！」
大船渡湾を望む高台に建てられた「大船渡温泉」は、玄関から入るとロビーの向こうには開放感のある大きな窓があり、三陸の美しい景色が訪れた人を出迎えてくれる。
実は大船渡温泉はインターネット投票による「温泉宿・ホテル総選挙」で「絶景」と「海の幸」２つの部門で日本一になった。
大船渡温泉 志田繕隆支配人
「絶景部門では２０２１年から３年連続、海の幸部門では２０２２年から２年連続日本一を受賞した。大船渡湾とその向こうに望む太平洋、この景色が素朴だけど三陸の風景そのもの」
その絶景をいちばん楽しめるというのが、この展望露天風呂。
井上智晶アナウンサー
「自然だけでなく、人の営みも合わせて美しい景色です。これだけでも絶景なんですが、この風景をさらに美しくする時間帯があるんです」
それが早朝「日の出の時間」だ。
季節によって太陽が昇る位置や時間は異なるが、湾内がオレンジ色に輝く瞬間は晴れた日にしか見られない、まさに奇跡の芸術作品だ。
この時間に合わせて朝風呂に入る宿泊客も多いという。
絶景と合わせて楽しみたいのが、もう一つの日本一「海の幸」。
井上智晶アナウンサー
「海の幸がふんだんに使われていますね」
大船渡温泉 佐々木一博料理長
「肉料理は出さず全て海産物、大船渡で水揚げされたものを魚市場で仕入れている」
またホテルのオーナーが地元の海でワカメとホタテの養殖もしていて、新鮮な海産物には特に自信があるとのこと。
ひときわ目を引くのが大船渡温泉の名物・カジキマグロの兜煮。
大船渡温泉 佐々木一博料理長
「こちらは大きな鍋で３日間煮込んでいるので、骨も柔らかく全て食べられる」
井上智晶アナウンサー
「豪快な見た目なんですが、見た目通りの豪快な味。魚のうま味がギュっと詰まっている。大船渡の海の幸でできた芸術品です」
日本一となってからは、なかなか予約が取れない人気の宿になった大船渡温泉だが、日帰りでの利用も可能な展望露天風呂と、大船渡湾を一望できる無料の足湯もあってその絶景を気軽に楽しむこともできる。
大船渡温泉 志田繕隆支配人
「私たちは三陸の自然や文化をたくさんの人に知ってもらいたい。三陸の自然を純粋に楽しんで、三陸のおいしい魚介類をたくさん召し上がっていただきたい」
大船渡温泉が開業したのはまだ震災の傷跡が多く残る２０１４年の夏。
いま訪れた人を温かくもてなしているのは、住民の支えとなり復興を後押ししてきた「癒やしの力」かもしれない。
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