中古車販売大手ビッグモーター(BM)の修理不正を巡り、旧BMの債務返済などに当たる「BALM(バーム)」は20日、顧客への補償対応を始めると発表した。2018年1月から23年8月末までに旧BMで修理を受けた約20万人を対象とする。対応にめどがつき次第、17年以前の不正請求についても同様の補償を実施するという。
旧BMが保有する画像データや見積書、損保各社の資料を活用して不正の有無を判断する。不正を明確に認定できないケースでも、不正の疑いがある場合には被害実額分を返金する。
保険金の不正請求に関しては、バームが損保各社に返金し、自動車保険の等級訂正といった顧客対応を損保側が実施する。
不正修理の件数は現時点で約8万件が判明しており、補償額は数十億円を見込む。
11月下旬から被害の有無にかかわらず対象の顧客約20万人におわびの手紙を送付する。18~20年に修理を受けた顧客には、補償対応とは別に500円分のクオカードを同封する。資料の不足で、不正が十分に確認できない可能性もあり、その「おわび」の位置づけという。
バームは7月に被害の全件調査を断念した。今回、見積書などのデータが不足して明確な不正行為が認定できないケースでも、不正行為が行われた疑いがある場合は「不正行為があったものとして被害回復に真摯(しんし)に対応する」としている。
旧BMは事故車を修理する際、ゴルフボールを入れた靴下を振り回して損傷の痕跡を広げて修理費用や保険金を水増し請求したり、新品と偽って中古品で修理したりするといった不正がまん延していた。【秋丸生帆】
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