令和9年の開業を目指す複合施設のイメージ図(さいたま市提供)

さいたま市は、市営桜木駐車場(同市大宮区桜木町)の用地活用事業について、優先交渉権者の企業グループと基本協定を締結したと発表した。官民一体となって、鉄道のまち・大宮の魅力発信などを担う複合施設の整備に着手し令和9年の開業を目指す。完成すれば同市の新たな名所として注目されそうだ。

市によると、企業グループは大和ハウス工業北関東支社▽大和ハウスリアルティマネジメント▽JR東日本-の3社で、3月25日に協定を締結した。

また、同日に大和ハウスリアルティマネジメントと定期借地権設定契約を締結。市が駐車場跡地約1万8千平方メートルを貸し付ける。貸付料は年間1億3800万円で、期間は35年間という。駐車場は既に閉鎖されている。

開発コンセプトは、新たなビジネス、文化、ライフスタイルを生む拠点「Omiya Well―being Station(ウエルビーイングステーション)」を掲げた。商業棟やオフィス棟など計5棟の施設を整備し、「東日本の対流拠点」を形成する取り組みを進める。

まず、新幹線ネットワークを活用し、東北や北陸などの朝採れの食材を午前にスピード輸送。午後に施設内のレストランやショップで提供などして、大宮を東日本の食の集積拠点にしていく構想だ。

また、交流拠点化を目指し、約3千平方メートル以上の広場や多目的に利用できるホールなどを整備。食のマルシェや運動プログラム、スポーツレッスンの開催に加え、地域イベントや集会にも活用してもらう。自然災害時には一時避難施設としての利用も想定する。

さらに、鉄道の歴史や文化を発信する拠点にもしていく。廃車両を展示するほか、近くの鉄道博物館(同市大宮区)とも連携したイベント開催なども想定されている。(柳原一哉)

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