様々な料理で使われる「オリーブオイル」が、5月1日から一斉に値上げされます。

令和の「オイルショック」とも呼ばれている混乱がなぜ起きているのか取材しました。

4月30日に訪れたのは、『みずほPayPayドーム福岡』の横にある「BOSSE・ZO FUKUOKA」3階のフードホールに店を構えている「京都天ぷら・花いかだ」です。

この店の看板メニューが、客の注文を受けてから調理を始める「天ぷら」。

熱々、きつね色の衣をまとった揚げたての天ぷらが、なんとも食欲をそそります。

エビや野菜などの天ぷらを盛り合わせた豪華セット。

目玉の穴子は、長さ30センチ。

サクサクの衣とプリッとした身のハーモニーは絶品です。

30日のランチの時間帯も多くの客が訪れ、その味を堪能していました。

◆来店客
「衣がサクサクですごく美味しかったです」

Q.お子さんもパクパク食べてますね
「いつもは食べないですけど、美味しいみたいでよく食べています」

このサクサク食感が最大の魅力とも言われている花いかだの天ぷら。

そのおいしさの秘密は、油にありました。

◆京都天ぷら 花いかだ 田中誠 店長
「こちらが私たちが使っている天ぷらを揚げるための油。植物油とオリーブオイルを混ぜた油です」

この店では、通常の食用油とイタリア産のオリーブオイルを8対2で混ぜ合わて天ぷらを揚げていたのです。

オリーブオイルを使う狙いは?

◆京都天ぷら 花いかだ 田中誠 店長
「オリーブオイルを入れることによって、天ぷらにサクサク感。それからオリーブオイルの香りをつけて食感を楽しんでもらう」

「花いかだ」の絶品天ぷらに欠かせない存在となっているオリーブオイル。

しかし、このオリーブオイルを巡っては、値上がりが大きな問題に。

◆京都天ぷら 花いかだ 田中誠 店長
「(去年と比べて)1割価格が上がっている」

この店では、毎月約50リットルのオリーブオイル、15万円相当を使っていて、仕入れ値の高騰が痛手となっています。

◆京都天ぷら 花いかだ 田中誠 店長
「ほかの食材も値上がりしていて、業者の努力によって、少しでも安い、品質が変わらない商品を仕入れてお客様に提供している」

パスタやアヒージョなど様々な料理に使われるオリーブオイル。

家庭向けの製品をつくっているメーカー各社は、5月の納品分から値上げに踏み切ります。

値上げの幅は、「Jーオイルミルズ」が32%~66%、「日清オイリオグループ」が23%~64%となっています。

一体、なぜ価格が上がり続けているのでしょうか?

◆京都天ぷら 花いかだ 田中誠 店長
「ヨーロッパの方のオリーブオイルが不作で、値上がりしていると聞いている」

高騰の背景にあるのが、ヨーロッパで起きた大規模な干ばつ。

その影響で原料となるオリーブの不作が続き、ヨーロッパでのオリーブオイルの取り引き価格が急騰しているのです。

福岡市のスーパーでもー

◆エムズ美和台店 久松浩一 店長
「味の素のオリーブオイルや日清のオリーブオイルだったり、すべてのオリーブオイルが値上がりする予定になっています」

店によりますと、オリーブオイルの製品は、去年1年間にすでに2度の値上げがあり、この価格の高騰で売り上げも半分程度に落ち込んでいるといいます。

そのため、今回の値上がりでさらなる懸念もー

◆エムズ美和台店 久松浩一 店長
「ここ1年で、通常売っていた値段より2倍の値段に上がっている。上がるものは仕方ないので上げざるを得ないが、また売り上げ点数が下がるのかなという懸念はあります」

食卓に欠かせないオリーブオイルの値上げに、買い物客はー

Q.5月にオリーブオイルが最大60%以上値上がり
◆買い物客
「そんなにですか?よく使うので、確かに家計は厳しくなる」

◆買い物客
「オリーブが…きょう買っておこうかしら。かなり大きいね。みんなこたえるんじゃないですかね。いるものはいるからね」

相次ぐ食品の値上げ。

私たちの家計への影響はまだしばらく続きそうです。

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