関西電力が、2023年度の決算を発表しました。

電力収入の増加や原子力発電所の稼働が増え、最終的な利益は過去最高となりました。


■純利益は過去最高でも「一過性の要因も含まれ、実力ではない」

関西電力は、2023年4月から2024年3月までの1年間の決算について、売上高が4兆593億円、最終的な利益である純利益が4418億円と、いずれも過去最高だったと発表しました。

需要増にともなう電力収入の増加に加え、高浜原1・2号機の再稼働により、原子力の利用率が大幅に上昇したほか、燃料価格の低下などが利益を押し上げたということです。

【関西電力 森望社長】「(利益が)過去最高ということだが、これは一過性の要因も含まれている。2023年がマイナス・赤字であったことから比べると、決してそれは、ことしの利益が実力であるということではないと思う」

そのうえで、森社長は電気料金の値下げやすえ置きについて、「経営環境をしっかり慎重に見極め、総合的に判断していく」と述べるに留めました。


■これから夏にかけて電気料金は段階的に値上がりしていく

気になる電気料金ですが、この先値上がりすると見られます。

平均的な家庭の電気料金を見てみると、2023年4月の電気料金は5769円でしたが、ことしの4月の請求分では約500円アップの6211円になっています。
そして5月には、再エネ賦課金の引き上げによって、さらに500円アップ。
6月には政府の補助金が減ることによって、さらに500円アップします。
7月には補助金の廃止も検討されているため、そうなるとまた上がる可能性が出てきている状況です。

関西電力としては「利益が過去最高なのになんで?」という声も聞こえてきそうです。

大阪大学大学院の安田洋祐教授はこうみています。

【安田洋祐教授】「今までは電気料金の値上げに関して、価格転嫁するのは結構難しいと言われていました。中小企業とかイメージすると、必ずしも消費者に直接、製品サービスを供給しているわけではなく、他の企業に卸している。そういう時なかなか転嫁しにくいという事情がありましたが、昨今、値上げが続いているので、今までと比べると、価格転嫁がある程度進むかもしれない。消費者は値上げを、ある程度覚悟する必要があるのかもしれないのですけれども、これは仕方のない値上げですので、そこは受け入れざるを得ないかなと思います」

補助金について、政府が延長する可能性は?

【関西テレビ 神崎博報道デスク】「実は、この3カ月で急激に電気代が上がることが想定されていました。特に補助金に関して言うと、6月に半分だけやめて、7月に残りの半分やめようかという話になっていますが、皆さんの給料が上がり、実感できたらいいんですけど、やっぱりまだ生活が苦しいという国民の声が強くなれば、ガソリンのような形で、延長することも考えられると思います」

これからエアコンを使う季節になります。お財布的に厳しい夏となるのでしょうか。

(関西テレビ「newsランナー」2024年4月30日放送)

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