今年8月、日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生して3か月が経ちました。
この地震では、初めて、南海トラフ地震の臨時情報が発表されましたが、野村総合研究所の調査で、臨時情報の発表を4人に1人は知らなかったことが分かりました。
専門家は災害への備えについて「モノ」だけではなく「考え」を備えることが大切だと呼びかけています。
M7.1の地震 初の南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」
今年8月に発生した、日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震。日南市で震度6弱、宮崎市や都城市などで震度5強を観測しました。
そして、この地震に伴い気象庁が初めて発表したのが、南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震注意」。
備蓄品や避難経路など備えの再確認が呼びかけられました。
(南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会 平田直会長)
「基本的には、巨大地震注意の時には、日頃からの地震への備えを再確認してください」
若い世代の目の付くところにきちんと情報が届いていたのか
発生から1週間続いた臨時情報による呼びかけ。
しかし、こんなデータが発表されました。
野村総合研究所が、今年9月、全国5万人を対象に実施したアンケート調査です。
南海トラフ地震臨時情報の発表を知っているかを聞いたところ、「知っている」と答えた人は75.8%、「知らない」と答えた人は24.2%で4人に1人が知らないと回答する結果となりました。
また、年代別でみると「知らない」と回答したのは20代が36%、30代が31.8%となっていて、特に、若い世代の認知度が低くなっています。
県民に聞いてみると、発表自体は知っていたものの十分に理解していないという声が聞かれました。
(記者)
「具体的に臨時情報が何たるかまでは分からない?」
(県民)
「あまり分からない」
「テレビで流れている分は(臨時情報について)見たが、自分たちで深く調べたりしなかった」
(野村総合研究所社会システムコンサルティング部 橘 和香子さん)
「知らなかった人がどういう状況にあったのかについては調査できていないが、知っていた人の中でも若い世代のトレンドで言うと、インターネットよりもSNSを見ているとか、テレビの視聴だったりとか見るものの種類が違う結果が出ているので、若い世代の目の付くところにきちんと情報が届いていたのか、そこに一つ課題があるかと考えている」
もうそんなこともあったなという感じ
地震発生から3か月… 県民の防災意識に変化はあったのでしょうか。
(県民)
「リュックに色々つめてベッドの横に置いたりとか、靴をいまだ置いてある、近くに置いたりしている」
「お水を貯蓄している。6本くらい」
一方、こんな声も・・・
(県民)
「(防災意識は)特にない。直後は(防災意識は)あったが、もうそんなこともあったなという感じ」
商品が安定入荷できている今だから、客に防災意識を促したい
地震発生後、防災グッズを買い求める人が多く訪れていた宮崎市のホーセンター。当時、売り場の棚は空っぽになり、品薄状態が続いていました。
ただ、今月、店の棚を見てみると、在庫は十分そろっている状態に。
現在は備蓄に関するアイテムが売れているといいます。
(ハンズマン柳丸店 上門朋広店長)
「だいぶ災害から落ち着いたが、いまだにこういう保存食とか保存水というのがあるが、これが長期保存できるお水だが、こちらの方はまだ動きが災害前と比べると動きはある」
店では、商品が安定して入荷できている今だからこそ、来店客に防災意識を促したいとしています。
(ハンズマン柳丸店 上門朋広店長)
「この機会に自宅でストックしてもらって『いざというときのために備えてもらいたい』と(接客時に)話をさせてもらっている」
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