人気ロックバンド「ASIAN KUNG-FU GENERATION」の後藤正文さん(47)が県立藤枝東高校(静岡県藤枝市)で“特別授業”を行いました。地元島田市出身のロックスターに、高校生が10代ならではの悩みをぶつける場面もありました。

島田市出身のミュージシャン・後藤さん。高校生たちが目を輝かせるのも当然です。後藤さんは20年以上、日本のロックシーンの最前線を走り続けるバンド「ASIAN KUNG-FU GENERATION」のボーカル。ほとんどの楽曲の作詞・作曲を手掛けています。

後藤さんの“特別授業”とは音楽の指導。授業を受けるのは、部活の一環としてバンド活動をする生徒たちです。

<「ASIAN KUNG-FU GENERATION」後藤正文さん>
「みんな自分に一生懸命なので、ベースの彼がドラムの方を見ているのに、ドラマーは無反応だったり、余裕が出てくるとちょっと顔見たりして、『これ良い感じだよね?』みたいな。そこまで行くと音楽って楽しくなる」

なぜ、一流のミュージシャンが高校生に音楽指導をするのか。

「私の声が一番合う曲ってどんな曲かしら?」

後藤さんは2024年、静岡県藤枝市で若手ミュージシャンなどを支援するNPO法人を立ち上げました。

市内にある築130年の蔵を2025年秋を目標にレコーディングスタジオに改修。ここを拠点にして、藤枝市とともに「音楽によるまちづくり」も進めていく予定です。

今回の指導は、その“一歩目”。バンド活動を始めて間もない高校生の演奏と真剣に向き合い、指導は楽器や機材の扱い方から音楽の楽しみ方まで1時間半にわたりました。

高校生が10代ならではの悩みを後藤さんにぶつける場面も。

<ボーカル担当 勝尾結夢さん(2年)>
「どうしても自分の声が好きではなくて…。自分の声をちゃんと聞こうと思えるきっかけはありましたか?」

<後藤さん>
「気にしなくていいと思いますよ。だって、変えようないじゃないですか。『椎名林檎の曲を歌うには、私の声って変よね』と思ったら楽しくないけど、『私の声が一番合う曲ってどんな曲かしら?』と考えたりすると、好きになっていくのでは。僕も曲を作ったきっかけは、そんなところがあった」

同じ地域から生まれたロックスターの言葉は、高校生の心に深く刺さったようです。

<永田悠晟さん(1年)>
「これからも音楽にずっと関わっていきたいなと思いました。音楽にずっと携わってきた後藤さんの姿がカッコ良さを感じた」

<後藤さん>
「なかには曲を作り始める子もいるだろうし、このままコピーバンドを楽しむ子もいるだろうし、楽しみ方は自由なので。とにかく(音楽を)楽しんで欲しいというのが一番ですかね」

後藤さんは藤枝市内の築130年の蔵を改修して、音楽制作スタジオを完成させるべく、クラウドファンディングで5,500万円を目標に資金を募っています。とても大きなプロジェクトですが、地元に音楽の根を張らせたいという後藤さんの思いを静岡県民としても応援したいと感じました。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。