「通天閣」に“売却話”。果たして真相は?社長に話を聞きました。
大阪の観光スポット・通天閣。11月8日午前10時前、入口では、いまかいまかとオープンを待つインバウンド客らの列ができていました。押しも押されもせぬ人気ぶりで、まさに“大阪の顔”。初代・通天閣は1912年、明治最後の年にできました。
【昔のニュースのナレーションより】
「東洋一の高塔、通天閣はその高さ250尺。パリのエッフェル塔を模したもので、市内を一望のうちにおさめることができます」
火事で解体されたため、現代の通天閣は1956年に誕生した2代目。長く大阪のシンボルとして愛され、進化を遂げてきました。
例えば、スリルが味わえる展望台に、全長60mの滑り台を一気に滑り降りるアトラクション。さらに、地上40mのジャンプ台からのダイブなど、ユニークな戦略で観光客を魅了してきました。
ところが、そこへ突如、ふってわいたのが“売却話”。
通天閣を保有・運営する通天閣観光が、南海電鉄など複数社と株式の売却や資本提携に向けた協議を進めているというのです。
これには、地元の人たちも…
「どうなるんやと思いました。通天閣が“南海”になる?!みたいなイメージになったので」
「しんどいのかなとか。工夫されてるんやなと、生き残りのために」
心配の声も聞かれますが、直近の業績をみてみると、売り上げは15億円以上。利益も5億円近くあり、決して悪くありません。
でも売却となれば、こんな不安も…
「(Q名前が通天閣から変わるとしたら?)それは…なんか嫌ですね。名前が変わるとしっくりこない」
売却額や時期は決まっていませんが、通天閣観光は設備投資や地域観光の発展など中長期戦略として企業のグループに入ることを検討しているといいます。
真相を社長にたずねました。
(通天閣観光 高井隆光社長)「(Q売却の可能性はある?)可能性であれば、どこの会社だってそうでしょう。いろんな可能性があるから。今のこの現状はいいとも思ってないし、通天閣や地域の発展のために何が一番いいのか、模索している。(Q名前が変わることはある?)通天閣は通天閣ですから」
売却や資本提携の検討は、より進化や発展を目指したものだそうです。今後、急増するインバウンド客対応で入場者の管理システム導入などインフラ整備にも投資したい考えです。
(通天閣観光 高井隆光社長)「(通天閣は)100年200年残していく役割があります。その中で聖域なき改革をしないと。今の現状に甘んじることなく常に進化し続ける。何が一番いいのか常に追い求めていきたいと思っています」
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