県外で活躍する青森県民を紹介するターニングポイント。人生の転機となったそのとき、どのような思いや決意があったのでしょうか。今回のストーリーは、八戸市出身で総合格闘技ジムトレーナー・石橋佳大。

様々なニーズに合わせたトレーニングができる「ZEEK GYM」(千葉県千葉市)。石橋はそこで総合格闘技中心のトレーナーとして活躍している。

格闘技のスタートは相撲

小学生の頃は野球部だったが、雪でグラウンドが使えなくなる冬だけ、相撲部だった。

石橋
「当時は体が小さかったんですけど結構(相撲の試合の)成績を残してて、相撲がスタートですね、戦いといえば」

八戸の高専に進学した頃、K1などの格闘技が流行りだした。そんな時に出会ったのが地元八戸の格闘技団体。

石橋
「プロレスが好きで、近くにプロレスの興行が来た時に観に行ってたんですけど、その前座で、地元の八戸のパラエストラ八戸っていう格闘技団体がデモンストレーションやってたんですよ。それで初めて、地元にこんな格闘技団体があるんだと知って、そこに通い始めて、ブラジリアン柔術を習い始めました」

卒業後も、千葉の会社で働きながら、近くのジムでトレーニングを続け、アマチュアの大会にも出場。得意の寝技で勝ち続けていた。

しかし、プロに転向してからは、対戦相手の強さが群を抜いていた。

太刀打ちできない現実を痛感

石橋
「2回負けて正直、俺って、こんなに強いのに実力出せなかっただけかなって思っていて、まだちょっとプロの試合を舐めてましたね」

しかし自分の自信とは裏腹に、5試合中4敗。試合相手の中には世界で活躍する有名選手も。プロ総合格闘家・現RIZINフライ級王者の堀口恭司もその一人だった。

石橋
「世界的に活躍している堀口恭司選手と新人王の時に試合してるんですけども、試合の時にローキックをもらったんですよ。あのローキックの痛みで心も足も折れましたね」

負け続け現実を痛感したことで、格闘技と距離を置いた。しかし改めて格闘技への気持ちが再燃する。

敗北からの原点回帰

石橋
「当時ブラジリアン柔術の世界王者で、ブラジル人のパウロミヤオ選手がいて、その選手がたまたま日本に来て大会に出るということになり、自分の中では記念で試合してみたいなと思った。

負けたけど、やっぱり楽しかったというのがあって、もう1回だけ真剣に向き合ってみようかなって…」

意識が変わり、寝技だけでなく、打撃も改めて取り組む。

その結果、2016年第6代環太平洋バンタム級王者、2017年環太平洋バンタム級王者防衛、総合格闘技団体RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 バンタム級トーナメント 1st ROUND-夏の陣-に出場。

石橋
「特に総合格闘技選手だったら、RIZINのリングは誰でも憧れると思うんですよ。
ずっと負け続けていた時から応援してくれていた人たちを、そこまで連れて行けたっていうことがすごい嬉しかったですね」

激闘王と呼ばれた石橋の体は、既に限界を迎えていた。
そんなとき、自分の新たな目標が生まれる。

トレーナーとしての第二の人生

大変な時期に、所属の格闘技選手を守ってくれたジムのオーナーやトレーナーのため、最後の試合は力を振り絞り挑んだ。

石橋
「それまでは自分が上に行くためにというのがあったんですけど、周りへの恩返しの想いが強かったと思います」

トレーナーとしての第二の人生で、お世話になった人たちへの恩義に報いる。

石橋
「僕より強い選手を育てて、僕より大きい舞台で活躍できる選手を、このジムから出したいですね」

石橋「青森の皆さん、明るく楽しく、激しく頑張っていきましょう」

石橋の挑戦は続く。

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