きょうは、冬の始まりとされる「立冬」。暦通りの寒さとなり、各地で「初積雪」や「木枯らし1号」が観測されました。

■各地で今季一番の冷え込み 立冬に“冬の便り”続々

高柳光希キャスター:
7日も全国的に気温が下がりました。まずは全国の気温から見ていきます。

國本未華 気象予報士:
7日は特に日本海側、北日本も含めて低くなりましたが、とにかく北風が強く、予想気温よりはだいぶ寒く感じたかと思います。

東京も最高気温18℃、最低気温11.4℃と、6日よりは少し高いんですが、体感的には7日の方が冷たかったですよね。

風の影響が増していく時期になってきました。

■そもそも「木枯らし1号」って何?「2号」「3号」もある?

高柳キャスター:
7日、東京と近畿地方では「木枯らし1号」が発表されました。

そもそも、「木枯らし1号」とは何なのかというと、晩秋から初冬にかけて吹く北よりの強い風のことです。風速は8m/s以上で、発表されるのは東京地方と近畿地方のみということなんです。

では、なぜこの二つの地方にしか発表されないのか。

▼「木枯らし」というものの定義が、“木の葉をまき散らす乾燥した強い北風”ということ。そして、▼日本海側の季節風は雪や雨を伴うことが多く、イメージにそぐわないということ。さらに、▼防災上の観点から発表の必要性が高くないということで、木枯らし1号はこの2つの地方にしか発表されないということなんです。

ちなみに、「春一番」は竜巻や突風を伴うので、8つの地方に発表されるということです。

井上貴博キャスター:
「木枯らし」を発表するとなったきっかけは何かあるのでしょうか?

國本気象予報士:
元々、“季節の風物詩”というニュアンスが強く、1960年代頃から気象関係者の間では言われていたんですが、定義をきちんと決めて発表するようになったのは、その後のことになります。

「春一番」と違うのは気温があまり関係ないというところで、前日より気温が高い・低いという部分は含まれていないというところもあります。

高柳キャスター:
「木枯らし1号」は発表されない年もあるんです。

東京地方
2020年:11月4日
2021年:発生なし
2022年:発生なし
2023年:11月13日
2024年:11月7日

近畿地方
2020年:10月23日
2021年:10月23日
2022年:11月13日
2023年:11月11日
2024年:11月7日

近畿地方は2020年から5年連続で発表されていますが、東京地方は2021年と2022年は発表されていません。そして、2024年は両地方とも11月7日に発表されました。

國本気象予報士:
10年でいうと4回ほど発表されていない年があって、温暖化の影響も多少あるかもしれませんが、寒気の流れ込みが弱い年が多いというのが大きいですね。

高柳キャスター:
そして、「木枯らし1号」といいますが、「2号」「3号」はあるのかというと、これまで発表された例はないそうです。

「2号」「3号」に相当する風が吹いても、注目・関心度が小さいため、発表はされていないということなんです。

■今年の冬は暖冬?寒冬? “急に寒くなる”可能性も

高柳キャスター:
2024年の冬は「暖かい」のか「寒い」のか、國本さんどうでしょうか?

國本気象予報士:
どちらかというと冬は「寒い」という予想にはなっているんですが、それが少し怪しくなってきました。

9日(土)10日(日)くらいまでは空気が冷たいんですが、この後、気温が上がっていきます。そのまま11月いっぱいは少なくとも気温が高い傾向が続きそうなんです。多少、寒い日はあると思うんですが、それがあまり持続しないという傾向が見えてきています。

7日、向こう1か月の平均気温の予報が発表されました。これを見ると、列島は真っ赤になっています。つまり、この時期としては平年よりも気温が高いという予想になってきています。

実は、向こう1か月というのが11月9日~12月8日と、12月まで食い込んできているんです。

10月に出た3か月予報だと、12月から水色になって寒くなるという予想ではあったんですが、寒くなるタイミングが少しずつ後ろ倒しになってきているかなという予兆があるんです。なので、冬の入口がなかなか見えてこないといいますか、秋の深まりはゆっくりという感じになりそうです。

ホラン千秋キャスター:
寒かったとしても冬は短そう?

國本気象予報士:
そうですね。ただ、12月後半から寒くなって、1月にかけては気温が低い。けれども2月はまた少し上向いてくるような予想が出ています。

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<プロフィール>
気象予報士 國本未華さん
北海道室蘭生まれ、東京育ち
大学生で気象予報士、のちに防災士の資格も取得

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