妻を殺害した罪に問われている元長野県議会議員の裁判は7日、酒蔵に勤務する従業員2人が「現場の状況」などについて証言しました。

塩尻市の元県議丸山大輔被告は、3年前の2021年9月、自宅を兼ねた酒蔵の事務所で、妻の希美さんを殺害した罪に問われ裁判で無罪を訴えています。

裁判は、争点の4つのテーマのうち3つ目となる「現場の状況・痕跡」について審理が進められています。

検察側「被告が窃盗犯にみせかける偽装工作」と主張

検察側は殺害現場の事務所から見つかった圧着ペンチについて、丸山被告が敷地内にある瓶詰工場にあったものを、窃盗犯にみせかける偽装工作として置いたと主張しています。

殺害現場のペンチ「違うとも同じとも言い切れない…」

きょうの証人尋問には、酒蔵のパート従業員の女性が出廷。

検察官からの質問に対し事件の2か月ほど前、酒蔵の片づけをしていた際に、2本の圧着ペンチがあったと説明しました。

1本は錆がひどく処分し、もう1本は瓶詰工場で保管していたということです。

その上で、事務所から見つかったものと同じペンチか問われると「違うとも言い切れないし、同じとも言い切れない。判断材料がない」と証言しました。

一方、弁護側の質問に対し、女性は、片付けは酒造りの責任者である杜氏と2人でしていたと説明しました。

ペンチがあったことについて、丸山被告に報告したか尋ねられると、「報告していないです」と証言しました。

瓶詰工場の照明がついていて「不思議だった」

また、きょうは杜氏の男性も出廷しました。

検察側の質問に対し、事件の発覚した朝に出勤すると瓶詰工場の照明が2、3個ぐらいついていたと説明し、「不思議に思った」と証言。

一方、弁護側から照明をつけっぱなしにすることがなかったか尋ねられると、「なかった、必ず消していた」と話しました。

7日で証人尋問が終わり、8日は検察・弁護側が「現場の状況・痕跡」についてまとめの意見を述べる予定です。

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