小学生を対象にしたロボットの国際的な競技大会で沼津市の加藤学園暁秀初等学校の6年生が優勝しました。快挙を成し遂げた子どもたち。学び舎でその強さの秘密に迫りました。

「大丈夫だ、正確に」「残り時間2分です」

黄色いゴールにブロックを詰みあげる数を競うロボット競技の世界大会です。ロボットはプログラムによって自動で走っています。世界8か国から16チームが参加する中で静岡県沼津市の加藤学園暁秀初等学校の6年生5人組が小学生部門で優勝しました。

<東部総局 金原一隆記者>
「国際的なロボット競技の世界大会で優勝したという加藤学園暁秀初等学校、教育にどんな秘密があるのでしょうか」

<優勝した児童たち>
「世界大会で優勝した『加藤学園RSI』です」
Q. どんな内容の競技なんですか?
「ロボットにプログラムを転送して、ロボットが自分でブロックを取ってきて、ゴールにブロックを入れる競技です」

この競技は白いフィールドに並んだ大人の親指ほどのブロックを、ロボットが自動で集め黄色いゴールに積み上げます。狭いゴールに高く積み上げるのは至難の技です。

<リーダー 6年生 岩崎翔馬さん>
「重心が微妙に右に傾いていたか、地面がぐらぐらしていたかどっちか」
「何か下に敷けるやつある?」
「段ボールとか?」

課題を解決するためまずは、地面を平らにする硬いボードを敷きました。続いて、ロボットがゴールにぴったり止まるようにプログラムを直します。

<リーダー 6年生 岩崎翔馬さん>
Q. リーダーは何をしようとしてますか?
「最後に倒れちゃったのもそうなんですけど、押しすぎていたので、その秒数を調整しました」

どうしたら、上手く運べるのか。子どもたちは何を直せばいいか自分たちで考え修正を重ねていきます。

<リーダー 6年生 岩崎翔馬さん>
Q. この大会で優勝できた一番の理由は何でしたか?
「センサーを使い、うまく走らせるようにしました」

5人は“勝てるロボット”にするため、フィールドの黒い線を読み取りまっすぐ走るためのセンサーを増やすなど改良を重ねました。2023年のこの大会、5人は準優勝となり、悔しい思いをしました。

<ITCクラブ 6年生 森岡斎さん>
「学校で時間が足りなかったら『ヤバいぞ』ってみんなの家に集まったりして、夜7時くらいまでやったりして能力を高めています」

<ITCクラブ顧問 加藤学園暁秀初等学校 中原悟教頭>
「どんな課題が出てくるかを予想して逆算して自分たちのプロジェクトとして進めていった。チームとしてもプロジェクトマネジメント力、悔しかった気持ちを乗り越えたい結束力がこのチームの勝因だと思います」

1972年創立の加藤学園暁秀初等学校は別名「壁のない学校」。隣のクラスとの壁が無く1年生、2年生など異なる学年も、隣り合うスペースで学びます。

5年生のロボットの授業です。教員は、子供たちの「学びたい・やりたい」に合わせ学習環境を作ります。最も優先するのは子どもから湧き出す創造性と自主性です。

<加藤学園暁秀初等学校 中原悟教頭>
「これだけ不確実な社会になったとき、答えっていうのはもうほとんど掴めないと思う。自分で答えをつかみ取って、真理をつかみ取って、それを絶対離さない、それをさらに活用する。やっぱりそういったことが出来る子どもが、やっぱりこれからのこの不確実な未来を自分で切り開ける子どもになると思っています」

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