稲刈りが終わって県内のスーパーなどには新米が出回っています。しかし、店頭で販売されているコメの価格は「令和の米騒動」と言われ品薄となった以降、高値が続いています。そのワケを探りました。
例年と比べ10%から20%値上がり
仙台市若林区のスーパー。コメ売り場には、県産のひとめぼれやササニシキなど新米、4銘柄が並びます。仕入れは安定していますが、価格は5キロで税込み3500円以上と例年と比べ10%から20%上がっています。
生鮮館むらぬし 村主芳治社長:
「大体300円から500円ぐらい値段が高い。売る側としては心苦しいが、概算金も上がったので」
農林水産省によりますと、2024年産の主食用米の生産量は去年に比べ22万トン増の683万トンとなる見通しで、来年6月までの1年間の需要量をおよそ10万トン上回ります。
品薄の状況は回避される見通しですが、店頭価格は高止まりしています。
理由の一つが「概算金」
理由の一つが「概算金」です。コメを出荷する農家に支払われる前払い金のことでJA全農みやぎは、民間業者との集荷競争が激化していることを受け「ひとめぼれ」など3銘柄を追加で3000円引き上げました。
この店ではコメだけでなく惣菜の価格にも影響が出ています。
小笠原悠記者:
「唐揚げやサバの味噌煮が入ったお弁当、そして、ずっしり重い店の名物おにぎりも価格が上がっているということです」
1キロのご飯に鶏のから揚げや鮭などを入れた特大おにぎり。コメに加え、具材も高くなり去年より200円ほど値上げしました。弁当のご飯は、量は減らさず10円から20円値上げして対応しています。
買い物客:
「少し前、コメが売ってない時は麺類を食べたり我慢したりとか。高くなっても購入する」
生鮮館むらぬし 村主芳治社長:
「(Q 仕入れ先から今後の価格動向を聞いていますか?)このまま(入荷が)落ち着いたら値段は下がってくるだろうと」
農家は複雑な思い
一方、県内の農家は、複雑な思いを抱きながらコメの出荷作業に追われています。
板倉農産 阿部善文代表:
「我々も予想以上にお客さんからの注文数が増えて、端境期の対応は難しい状況だった」
登米市南方町で農業生産法人の代表を務める阿部善文さんは、ひとめぼれやササニシキなど7品種を生産し、契約する卸業者や消費者、飲食店などに出荷しています。
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