2023年11月、熊本県錦町でアパートが全焼して1人が死亡した火事で、火のついたろうそくを放置していたとして、住人だった男が逮捕されました。
重過失失火と重過失致死の疑いで逮捕されたのは、錦町西の会社員、家城輝彦(いえき てるひこ)容疑者(58)です。
家城容疑者は2023年11月11日、当時住んでいた錦町一武のアパートの部屋で、火のついたろうそくを放置したことで木造2階建てのアパートを全焼させ、同居する無職の井上恵美(いのうえ えみ)さん(44)を焼死させた疑いが持たれています。
警察によりますと、このアパートは1階が玄関、2階が居住スペースで、家城容疑者は1階の玄関付近に「魔除け」として複数のろうそくに火を付けていました。出火直後、家城容疑者は2階の窓から1人で逃げ出したものの、井上さんは逃げられなかったということです。
警察は、受け皿を使わずにろうそくを直接立てていた点で過失が大きいと見ています。
家城容疑者は実況見分などに立ち会った際、「魔除けのためにろうそくを置いていた」と話していて、逮捕直後の警察の取り調べにも容疑を認めているということです。
防げたはずの火事…「重過失失火罪」とは?
刑法には「失火罪」という罪もありますが、あくまで誤って火事を引き起こした場合などに適用されます。これに対し重過失失火罪は、少しでも注意を払っていれば防げたのに注意を怠って火事を起こした場合などに適用され、罪も重くなっています。
今回は女性も亡くなっているため、「重過失致死罪」という別の容疑でも逮捕されています。
【失火罪】50万円以下の罰金
【重過失失火罪】3年以下の懲役・禁錮または150万円以下の罰金
【重過失致死罪】5年以下の懲役・禁錮または100万円以下の罰金
冬場は火事が増えるので、こうした事態が起きないように、火の取り扱いには注意が必要です。
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