首都圏で「闇バイト」による強盗事件が相次ぐ中、突然、訪問してきた人物が、「トイレを貸してほしい」などと言って自宅に入ろうとする不審者について取り上げます。警察は、強盗や窃盗をするための「下見」の可能性もあるとみて、注意を呼びかけています。
10月10日の朝、広島市佐伯区にある住宅で、知らないうちに勝手口にいた男性が、突然、住人に声をかけます。
「トイレを貸してほしい」
男性(30代くらい)は、トイレに入った後、さらにこんなことを言います。「両替をさせてほしい」不審に思った住人の女性が断ると、男性はどこかに立ち去ったということです。
同じ佐伯区では、19日の夕方にも別の住宅に30代くらいの男性が訪問し、「トイレを貸してほしい」と告げます。住人の女性が断ると、「ダメかー」と言って、その場から立ち去ったということです。
この2件で訪問した男性は、身長や体格の特徴が似ていたことから、警察は、同一人物の可能性もあるとみています。同じような不審な訪問者は、安佐南区や東広島市でも確認されています。
「近所の工事で迷惑をかけるので、無料でリフォームします」
「挨拶回りをしているので出てきて欲しい」
警察は、声をかけて自宅にあがろうとしたり、家族の名前や電話番号を聞き出したりするケースもあるとみています。10月に発生した、神奈川県横浜市での強盗殺人事件。この事件の前、現場付近では、リフォーム業者などを名乗る不審な訪問や電話が、17件確認されています。
街の人
「怖いというのが第一印象。すぐに変だと気がつかないといけないなと思います」
「怖い世の中になったな…と感じます。両親には、絶対に家に入れちゃダメということは言っています。」
佐伯警察署 大田正勝 次長「窃盗や強盗などの犯罪を行う前に自宅の様子を確認する下見の可能性がありますので、絶対に自宅の中に入れないよう気をつけていただきたい。不審者が訪れた場合は、すぐに110番をしていただくようよろしくお願いいたします。」警察は、パトロールを強化するなど警戒し、注意を呼びかけています。
県内の他の事例では、10月、女性(30代)の自宅に県外ナンバーの車に乗った男性2人が尋ねてきました。
「家の裏の家で屋根の工事をするので、あなたの家の屋根もついでに直しましょう」
このように言われて、家族構成や勤務時間、自宅を開けている時間などを聞かれたという事案もあったということです。
「使っていない電話線を抜かせてくれ」
通信事業者の下請けを名乗る男性2人が尋ねてきました。断ると2人は立ち去りましたが、不審に思ってその通信事業者に確認すると、「そのような活動はしていない」と言われたといいます。こうした通報は、県内でも頻繁に寄せられています。
県警は以下のような注意を呼びかけています。
■知らない相手には、個人情報を伝えない
■身分証明書の提示を求め、相手をしっかり確認する
■家を訪れた人の対応は、すぐにドアを開けない。まずは、インターフォンやドアスコープで相手を確認する
■怪しいかも…と感じたら、110番通報
“不審な人を家にあげない”ことはもちろん大切ですが、様々なことを警戒して疑いながら生活するのは少し息苦しい気もします。当然ながら、すべてが怪しい訪問ではなく、不審者だと思ったが、本当に業者だったというようなケースもあるということです。
不審な訪問は、犯罪につながる下見の可能性もあることはしっかり意識したうえで、まずは“知らない人に個人情報を教えない”など、自身の「防犯」をいま一度見直すなど、基本的な防犯対策を整える機会にすべきではないでしょうか。
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