「東海道・山陽新幹線」記念すべき2024年度 50年前に何があった?
来年3月10日で、東海道・山陽新幹線は「東京-博多全通50年」を迎えます。
RSK山陽放送(1953年創業)は71年に渡る放送の歴史の中で、新幹線に関わる数多くの貴重動画を保存していて、「RSKイブニングニュース・YouTubeチャンネル」では、再生リスト「新幹線・貴重映像大集合」にてそのうち38本の動画を公開しています。
RSK山陽放送では、38回シリーズ(予定)で、その内容を画像を交えてインターネット記事として紹介していきます。
20回目は「丸い運転席 陽射しはどう避けている?」です。
当時のリポートでは「21世紀の顔!」その500系も、あと3年でお別れ…
筆者が衆議院議員選挙の放送対応のため、連載が1か月中断となったのに加え、「11月2日掲載予定」と言いながら2日過ぎてしまい申し訳ございませんでした。
という訳で、WIN350から数えて今回が「500系」シリーズ・連載5本目です。まだ2本控えているのでこちらもお楽しみに。今回も、おそらくこの時期(1996年)の交通担当記者だったであろう、寺元記者のリポートです。
(寺元記者)
「21世紀の高速新幹線500系の顔はこれ。先頭15mも伸びた、戦闘機を思わせる形です」【画像①】
この日(1996年11月28日)報道陣に公開されたのは、デビュー前の「500系新幹線」の走行試験の試乗会です。この日も500系新幹線、よう尖っとる!【画像②】
この500系新幹線、「時速300キロ運転」が何より売りですが、その高速運転の際に発生する「騒音」を最小限に抑える技術が、ふんだんに盛り込まれています。
何よりも特徴的なのが、阪神タイガースの「T」の字だけを抽出したような形をしたパンタグラフ。柱の側面がヘビ皮のようなデザインになっていますが【画像③】なんとこれも空気抵抗を少なくするための工夫なんだそうです。
気付かなかった!カプセル型の運転席を覆うカーテンの形
さぁ今回も出発進行!当時の取材では、毎回試乗会のたびに運転席に入れてもらっていたようです。今回新たな発見が...。
前回【第19回】の連載時にはなかったものが、【画像④】に。そう!それは湾曲した運転席の側部を覆うカーテンです。蛇腹状に伸縮するものと思われ、日光を見事に遮っていました。
なんと1日2800キロ、総距離45万キロの走行試験
そして恒例の速度計を覗いてみると。。。もうこの連載では見慣れましたね、時速300キロ到達です【画像⑤】。
ただ今回の目的は、この車両が持続的に「300キロ運転」が可能かどうか確かめるためのもの。この年(1996年)の1月に完成した車両を、この日まで10カ月間、1日およそ2800キロの耐久試験を繰り返していたのです。
当時は「未知の世界」だった、新幹線500系による「時速300キロ運転」。当時の皆さんは、いつもより速く流れる車窓に驚いたことでしょう(そうでもないかも)。
テレビカメラがとらえた山陽新幹線の車窓も、心なしか速さについていけていないように見えます【画像⑥】。
今はもう体感できない「500系・時速300キロ」の乗り心地は?
さぁ、その乗り心地はどんなもんなんでしょうか?前回は矢部記者が「陸のコンコルド」と評していましたが、今回は寺元記者が座席でリポートしてくれていました【画像⑦】。
(寺元記者)
「いま時速300キロのスピードで走っています。座席に座っていましても、これまでの新幹線に比べ、横揺れはほとんど変わりません。また車内に入ってくる音も防がれているため、かなり静かに感じられます」
もう今では体感できない、500系による時速300キロ運転。当時は車両の形も相まって【画像⑧】「蒼い弾丸」が鉄路を一直線に走っていた、そんなイメージがあります。泣き出しそうな心を蹴って、旅すりゃいい。
10カ月間で30万キロ走った500系。「耐久試験に必要とされるのは45万キロ走行」ということで、翌年1月末まで走り続けたんだそうです。
このような地道な取り組みがあってこそ、今でも500系は走り続けているんですね。
(当時のJR西日本 担当者【画像⑩】)
「飛行機なんか、かなり便利になっていますからね。そういったものに打ち勝つといいますか、差を広げられないように、やはり時速300キロと」
いよいよこの年の翌年、1997年3月にデビューする500系新幹線【画像⑪】。岡山~博多間を10分程度、岡山~新大阪間が3分短縮されることになります。
そんな500系とは、あと3年ほどでお別れです( ノД`)。
次回も、まだまだ続く500系シリーズ。なんと海外の関係者向けに試乗会が行われました。注目は、中国からやってきた当時の関係者のコメントです。11月9日配信予定です。
【1回目】君は新幹線2両編成の「951形」を知っているか?
【2回目】新幹線『0系』ビュッフェにあった『速度計』覚えてる?
【3回目】君はボンネット型『特急はと』を見たことがあるか?
【4回目】新幹線100系『2階建て車両1階 めちゃめちゃ小さな窓』の正体は?
【5回目】新幹線100系『最高時速230キロ化』へ走行試験
【6回目】『青鼻』の0系新幹線が現れた なぜ青い?
【7回目】君は新幹線100系『グランドひかり』を覚えているか
【8回目】新幹線100系 当時(1990)の国内最速『277km/h』を記録!
【9回目】新幹線開業がもたらした『東京日帰り出張が可能に( ノД`)トマリタイヨー』
【10回目】覚えてる?1992年「のぞみ」登場の衝撃を 何でその名前に?
【11回目】山陽新幹線についに「300系のぞみ」が現れた!
【12回目】「300系のぞみ」とカワイイ(・∀・)/「4両編成の0系こだま」
【13回目】車内販売員も耐えた「300系のすごい揺れ」とは?
【14回目】新幹線500系の原型「WIN350」って知ってる?
【15回目】「パソコンのマウスみたいな」WIN350が現れた!
【16回目】「頭上注意!」新幹線500系の原型「WIN350」に記者が乗り込んだ
【17回目】君は「0系型ドクターイエロー」922形新幹線を覚えているか
【18回目】「ロケットみたいな新幹線」2027年引退の新幹線500系「初お披露目」
【19回目】新幹線500系「乗り心地はジェット機 形はコンコルド」
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