衆議院選挙で、歴史的大敗となった自⺠党。公明党と合わせた議席も、過半数を大きく割り込み、石破政権にとって厳しい船出となるなか、与野党の駆け引きが始まっています。
自民党が歴史的大敗 前途多難?石破政権の船出
国⺠⺠主党 新人 日野紗里亜議員
「(子どもに)ママ勝ったよ!と言ったら『ママ優勝したの?』って言われて、優勝したよ!と言っておきました」
女性の新人議員の当選も相次いだ衆院選挙。立憲⺠主党は一気に50議席を積み増し、国⺠⺠主党は4倍、れいわ新選組も3倍に増やしました。
明暗が分かれたのが...
日本維新の会 浅田均参院議員会⻑
「今回の大惨敗の責任をとって馬場代表と藤田選対本部⻑は辞意を表すべき」
野党第一党を目指しながら、立憲の4分の1ほどにとどまった維新。馬場代表は、公然と辞任を迫られる事態。
一方の与党側では...
公明党 石井啓一代表
「代表の職を辞することを決めました」
就任したばかりの公明党 石井代表は自身も落選し、辞任となりました。
そして、歴史的な大敗を喫した自⺠党。
2012年の政権交代から保ってきた単独過半数はおろか、公明と合わせた与党での過半数すら割り込んだのです。
石破内閣で閣僚になったばかりの人たちも...
牧原秀樹法務大臣
「まだ何も現実を受け止められない」
小里泰弘農水大臣
「本当に申し訳ありませんでした」
裏金と統一教会の問題が直撃した選挙結果に石破総理は..
石破茂総理
「わが自由⺠主党は心底から反省し、生まれ変わらなければならない」
「自⺠一強」から一転、「少数与党」となった石破政権。
過去にも「少数与党」の政権はありましたが...
羽田孜総理(当時)
「少数与党による政権ということで、大変厳しいものがあると思っている」
30年前、7党の連立で発足した羽田内閣。
社会党の離脱によって「少数与党」となると、政権発足からわずか2か月後には内閣不信任案が提出、可決される見通しとなり、総辞職に追い込まれたのです。
30年ぶりの「少数野党」だが「むしろ石破総理の強さが発揮できるのでは」
30年ぶりの「少数与党」を率いる石破総理。
しかし、自民党内での立ち位置を考えれば、むしろプラスに働くとの見方も。
政治ジャーナリスト後藤謙次さん
「石破さんはこれまでの自⺠党の流れとは対極にあった人なので、一強体制でこれまで埋もれてきたが、穏健な多党制で(野党と)議論をしながら物事を前に進めていく。むしろ石破総理の強さが発揮できるのでは」
「安倍一強」の時代から“党内野党”とも言われた石破氏は、野党との議論がしやすいという指摘。
さらに、自⺠党内のパワーバランスも・・・
無所属 下村博文元文科大臣
「力及ばずでした」
自⺠党 丸川珠代元五輪大臣
「ひとえに力不足だった」
裏金や統一教会問題の震源地となった安倍派の議員が一気に落選。
高市氏を支持する議員とも重なるため、“アンチ石破”派の勢力が削がれた形です。
石破総理からはこんな決意が…
石破茂総理
「身内の論理あるいは党内の理屈、そのようなことを今後は一切排除し、政治とカネについて、さらに抜本的な改革を行っていく」
先の国会で、自⺠党内の理屈で押し切った政治とカネの改革をやり直す姿勢。
政治ジャーナリスト後藤謙次さん
「とりわけ高市支援グループで中核となった人たちが軒並み落選。石破氏は無派閥総理として周辺を固められ、がんじがらめだったが、ある意味“地金”で勝負できるという心境になっている」
まず避けて通れないのは、「総理指名選挙」。
「少数与党」に転落した今、もし国会で野党が結束した場合は、総理の座を失うのです。
立憲⺠主党 野田佳彦代表
「政権を変えていく大きなチャンスなので、ぜひ協力をお願いしたい」
野党第一党の立憲・野田代表は、さっそく維新や共産と党首会談を開催。
その一方で…
立憲⺠主党 野田佳彦代表
「早く話し合いができればいいなと思う。なかなか敷居が高いので困っている」
「敷居が高い」と苦笑いした相手は..
国⺠⺠主党 玉木雄一郎代表
「立憲⺠主党の野田代表に我々が仮に28票を投じたとしても自公に勝てない。良い意味でのキャスティングボートを握れるようなポジションになりたい」
自⺠‧公明との距離を詰める姿勢は、少数与党にとって「渡りに船」となるのか...
石破茂総理
「議席を大きく伸ばした党がある。私どもの足らざるところ、改めるべきところは積極的に取り入れていきたい」
厳しい国会運営に欠かせない多数派工作。建設的な政策論へとつながるのでしょうか。
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