自転車を運転しながらスマホを注視する行為や酒気帯び運転が11月1日から厳罰化されました。
罰則の強化の内容やながら運転の危険性を取材しました。
街頭で記者が観察してみると・・・
(街の人)
「完全に危ない、前を見てないから」
「子どもがいるので危険なのでやめてほしい」
街の人たちがこう話すのは、自転車を運転中のある危険行為。
(渕 雅顕 記者)
「スマホを触りながら運転してますね」
「横断歩道上でもスマホを操作しています」
「信号が変わったことに気づいてないんでしょうか?携帯に夢中になって目の前の信号が変わったことに気づいてませんね・・・やっと気づきました。持ったまま走り始めました」
スマホの「ながら運転」は6か月以下の懲役または10万円以下の罰金
スマートフォンを使いながら自転車を運転する「ながら運転」。
重大な事故につながりかねない危険な行為で、11月1日に施行された改正道路交通法で罰則が強化されました。
(宮崎県警察本部交通企画課 脇屋敷 義明さん)
「手で携帯電話を保持して通話したり、スマートフォンの画面の表示を注視したりする行為が罰則が強化されている」
自転車を運転中、手に持ったスマホで通話したり画面を注視したりする行為は禁止されていて、違反した場合の罰則は、これまで5万円以下の罰金でしたが、1日から、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金になりました。
画面の注視の違反については、「2秒」が目安とされています。
(レイ法律事務所 野口辰太郎弁護士)
「以前、国家公安員会がカーナビ事業所向けに案内を出した際に『おおむね2秒を超えて画面を見続けない』という設定をしてくれと。要するに『注視』というのは、おおむね2秒を超えないという定義づけを行ったことがある。ひとつの参考として、2秒というのがあげられるのではないか」
また、自転車での酒気帯び運転についても罰則が新たに設けられ、3年以下の懲役または50万円以下の罰金となっています。
「ながらスマホ」を記者が試してみた
今回、ある実験をするため宮崎市内の自動車学校を訪れました。
(渕 雅顕 記者)
「スマートフォンを使用しながら自転車を運転すると、どれほど危険なのか。安全に配慮して実践してみたいと思います」
記者が手に持ったスマホに目を向けながら運転すると・・・目線が下がり、前方はほとんど見えていません。
通常時の見え方と比較するとその差は明らかです。
歩行者に気付くのもかなり遅れてしまいます。
(渕 雅顕 記者)
「全く前が見えないので、運転するのもかなり怖いですね」
重大事故につながりかねない、自転車の「ながらスマホ」。
自転車は「車両」であるということを忘れずに運転する必要があります。
(宮崎県警察本部交通企画課 脇屋敷 義明さん)
「携帯電話違反、酒気帯び運転についてはもちろんだが、その他の交通ルールについてもしっかり守っていただいて、また、ヘルメットの着用に努めていただいて、安全な利用に努めていただきたい」
厳罰化の背景と内容
取材した渕 雅顕 記者の解説です。
(渕 雅顕 記者)
今回の厳罰化ですが、自転車の事故が全国的に増加傾向になっているのが背景にあり、宮崎県内でも去年は418件の事故が発生しました。
改めて、厳罰化の内容ですが、大きく分けると2つあり、1つ目が運転中のながらスマホです。
違反すると、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金が科せられ、交通の危険を生じさせるとさらに重い罰則となります。
そして、もうひとつ、酒気帯び運転については、これまで罰則が設けられてませんでしたが、11月1日からは3年以下の懲役または50万円以下の罰金となっています。
酒気帯び運転については罰則の対象が本人だけではなく、自転車の提供者や酒を提供したお店なども含まれます。
スマホを自転車につける「スマホホルダー」はどうなるのかといえば、スマホホルダーにスマホをつけること自体は問題ありません。
しかし、走行中に画面を操作したり、注視したりするのは違反となってしまいます。
自転車は2秒間走らせると10メートルほど進むこともあります。スマホの画面を見る場合は、必ず一度停止してから行う必要があります。
自転車は子どもから大人まで乗ることができますが、軽く考えず、しっかりルールを守ることが大切です。
※MRTテレビ「Check!」11月1日(金)放送分から
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