もんすけ調査隊です。北海道の”食のミステリー”に挑みます!
“釧路のそば”は、なぜ緑色なのか?今、驚きの理由が明らかに!
雄大な自然が広がる道東の港町、釧路市。
ここには、独特の食文化が脈々と息づいています。
「アメリカンドッグ」に砂糖をかけた「フレンチドッグ」に、「かしわそば」から「そば」を抜いた「かしわ抜き」。
これまで北海道の様々な食文化の謎を解き明かしてきた「もんすけ調査隊」が、今回、新たな謎に挑みます!
札幌市在住 けさん 30代
「釧路のそばは、なぜ緑なのでしょうか?また緑ではないそばもあるのですが、何が違うんでしょう?」
普通、そばと言えば、白っぽい更科そばや、濃い灰色の田舎そばを思い浮かべるでしょう。
しかし“釧路のそば”は、なんと緑色だと言うのです。
さっそく調査員は、1874(明治7)年創業の老舗、「竹老園東家総本店」に急行しました。
一歩足を踏み入れると、美しい庭園が広がっており、かつて昭和天皇も訪れた名店です。
そんな由緒正しき、そばが・・・。
ナギーブ・モスタファ調査員
「ありました!緑色のそばです!釧路湿原のような美しい緑です。どんな味がするのでしょう?」
釧路湿原はちょっと言い過ぎですが、釧路市内の9割ほどがこの緑のそばだといいます。
これは、ただの「茶そば」ではないのでしょうか?
ナギーブ・モスタファ調査員
「美味しい!滑らかな喉越しで、そばの風味がしっかりしています。でも茶そばではないようです」
調査員の味覚が確かなら、茶そばではないということです。
実は竹老園では「茶そば」も提供していますが、明らかに緑の濃さが違います。
では、この緑のそばは、一体何なのでしょうか?
ナギーブ・モスタファ調査員
「なぜ、そばが緑色なのですか?」
竹老園東家総本店 5代目 伊藤純司社長
「ここに用意してあるんですが…今は、クロレラを混ぜているので、緑色になっています」
なんと!”釧路の伝統的なそば”には、クロレラが混ぜられているのです。
クロレラと言えば、たんぱく質やビタミン、ミネラルを豊富に含むと、今では注目されている藻類ですが、なぜ伝統的なそばに混ぜているのでしょうか?
竹老園東家総本店 5代目 伊藤純司社長
「東京の『かんだやぶそば』が始めたことだが、そばは新そばの時期は緑色になるが、だんだん時間が経つと色が悪くなってしまうので、それを緑色にするために、そばもやしを擦って入れたのが始まりで、そばを緑色にするところを真似て、東家のそばも緑色になっている」
そう、釧路のそばが緑色なのは、「お客さまに1年中、新そばの気分を味わってもらいたい」という、そば職人たちの熱い思いから生まれた工夫だったのです。
時は明治時代、東京の老舗「かんだやぶそば」が、新そばの鮮やかな色を保ちたいという一心で、そばもやしの汁を練りこんだのが始まりだといいます。
それを、竹老園の初代、伊藤文平が北海道に持ち込み、釧路の”伝統的なそば”として根付いたのです。
竹老園東家総本店 5代目 伊藤純司社長
「緑色のそばを『藪そば』と呼んでいた時代があって、全国的には減っているかもしれないが、まだ釧路に残っているということで、伝統なので続けていきたい」
では、なぜ竹老園が始めた緑そばが、釧路全域に広まったのでしょうか?
調査員
「なぜ緑のそばが釧路全域に広まった?」
釧路そば商組合(城山東家) 石丸達郎組合長
「竹老園が緑のそばを普及したので、みんなが『緑のそばでなければ、そばでない』という意識が高まり、緑色のそばが多くなった」
竹老園は、釧路そばの老舗として多くの弟子が修業し独立。
その弟子たちが、緑そばの伝統を受け継ぎ、やがて”釧路のそば”といえば緑色になったのです。
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そして2024年3月、”釧路のそば”は、文化庁の100年続く食文化「100年フード」に認定されました。
その登録された”釧路のそば”は、緑のそばだけではありません。
竹老園では、つなぎに卵を使った「蘭切りそば」や「そば寿司」なども提供。
さらに城山東家では、真っ白な更科そばを提供しています。
釧路そば商組合(城山東家) 石丸達郎組合長
「先代が、『もうクロレラを入れなくてもいいかな』と、更科そば一本でいこうと始めました」
城山東家では、伝統的なそばにこだわり、そばの風味を最大限生かすため、あえてクロレラを入れずに、白い更科にこだわっているといいます。
釧路そば商組合(城山東家) 石丸達郎組合長
「釧路は北海道でも有数のそば処です。皆さん楽しんで食べに来てくれれば嬉しい」
調査結果です。
釧路のそばが緑色なのは、お客様に1年中、新そばの気分を味わってもらうために、クロレラを入れているから!でした。
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