土方歳三にまつわる品々を展示する、北海道函館市の「土方・啄木浪漫館」が、ファンに惜しまれつつ10月31日に閉館しました。
新選組・鬼の副長、土方歳三の愛刀として知られる「和泉守兼定」。
展示品は、同じ刀鍛冶が作った日本刀です。
函館市の土方・啄木浪漫館にある1,300点以上の資料を集めたのは、土方ファンでもある佐藤豊館長です。
2004年には、自ら土方歳三を演じました。
土方・啄木浪漫館 佐藤豊館長(2004年5月)
「逃げるものは斬る!この兼定で」
「(土方が)『あなたは俺の生まれ変わりだから、ぜひ記念館をやってくれ』と夢に出た」
夢のお告げで開館してから25年。
建物の老朽化と、佐藤館長が経営する会社の倒産が原因で、10月31日で閉館することになりました。
函館市内からの来館客
「何としても、ほかのことをほっぽり投げて来た。思い出がいつまでも刻まれる」
札幌市からも小さなファンが駆けつけました。小学生の井手結天さんです。
井手結天さん(小4)
「ここを作ってくれてありがとうございます。ここで私は土方歳三が大好きになった」
土方・啄木浪漫館 佐藤豊館長(79)
「一つ一つ思い入れが強くて、命懸けて(解説も)全部書いて、集めたからね」
結天さんがここを初めて訪れたのは5月。
その後、浪漫館が閉館することを知り、「お小遣いで展示品を買うことができるか」と手紙を出していました。
井出結天さん
(お小遣いはたまった?)「いいえ、たまっていません…」
佐藤館長は資料が散り散りにならないよう、一括して売却することを望んでいます。
土方・啄木浪漫館 佐藤豊館長
「土方歳三みたいに、パッと終わるのもいいんじゃない」
展示品の行方はまだ決まっていませんが、浪漫館は多くの人に土方歳三の魅力を伝え、静かに幕を下ろしました。
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