台風21号は、11月2日までには温帯低気圧に衰えるものの、大量の湿った空気が日本に流れ込み、秋雨前線を刺激。2日を中心に警報級の大雨のおそれ、3日、4日も強風・高波に注意が必要です。
台湾上陸で、台風は急速に衰える
台風21号は、31日(木)午前9時現在、台湾の南東海上にあって、中心気圧935ヘクトパスカル、最大風速50メートル、最大瞬間風速70メートルの非常に強い台風で、先島諸島の一部が暴風域に入るおそれがあり、警戒が必要です。
しかしこの後、台風は3000メートル級の高山が多数ある台湾に上陸することにより、地面との摩擦で回転を妨げられ、急速に衰えます。台湾横断後の11月1日(金)朝9時の中心気圧は992ヘクトパスカルと予想されていて、何と24時間で約60ヘクトパスカルも衰えてしまうのです。
そして、さらに24時間後の、あさって2日(土)には、台風は東シナ海で温帯低気圧に変わる見込みです。
温帯低気圧に変わっても、大雨には警戒が必要
台風が温帯低気圧に変わったとしても、それ自体が保持している湿った空気の量はほとんど変わりません。
特に、今回は前面に大きな雲域があるため、台風や温帯低気圧が接近する前に湿った空気が日本列島に流れ込むため、11月1日(金)には西から雨が降り出す見込みです。
台風+秋雨前線=大雨
加えてこの時期、温暖化の影響等で季節の進みが遅いために、まだ秋雨前線が日本付近にあります。
この前線に、台風由来の湿った空気が流れ込むことで、11月2日(土)中心に、九州から北陸地方にかけ、警報級の大雨のおそれがあります。
さらに、気象台では西の地方を中心に、11月2日(土)までの雨量が、11月の平年1か月の雨量を上回る大雨となり、土砂災害などの危険度が高まるおそれがあるとしています。
3連休前半を中心にあいにくの天気
多くのイベントが行われるであろう11月最初の3連休ですが、初日の2日(土)を中心に大雨、3日(日・祝)や4日(月・振休)も低気圧や前線の影響で強風・高波に注意が必要で、あいにくの連休になってしまうかもしれません。
RKB 気象予報士 龍山康朗
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