鹿児島市の平川動物公園にコアラがやってきて今月で40年です。節目を記念して出されたのが、コアラのバイブル本です。コアラ40年の歩みや飼育の裏側に迫ります。

キリンやホワイトタイガーなど129種の動物に会える平川動物公園。なかでも人気を集めているのが…

(記者)「平川動物公園のアイドルと言っても過言ではないコアラ。ぐっすり眠っています」

園では、コアラを飼育する国内7つの施設で最多の18匹が暮らしています。

(来園者)
「かわいかったよ。近くにいるコアラもかわいい」
「コアラは見たいと思っちゃう」

「前来たときの赤ちゃんが大きくなっていたり、そういうのを見ると親も楽しい」

「(魅力は)赤ちゃんのかわいさ」

コアラが鹿児島にやってきたのは今から40年前です。オーストラリアでコアラの輸出が解禁されてから4年後の1984年。エサのユーカリの植樹などをしながらコアラを誘致していた鹿児島市に、東京・名古屋とともに日本で初めてコアラが贈られました。

歓迎する「コアラの歌」もつくられる中、むかえられた2匹のオスはコアラフィーバーを巻き起こし、翌年にはメス4匹も仲間入り。繁殖を重ね、平川動物公園ではきょうまでに通算105匹を飼育してきました。

(平川動物公園コアラ担当 落合晋作さん)「40年前は未知な生き物だったはず。平川動物公園・全国のコアラ飼育に携わった努力の結晶」

3年前には新コアラ館がオープンし、ガラスで仕切られることなく、より近い距離で楽しめるようになりました。

来園者のなかに熱心にカメラを構えた人が…。東京の出版社・新潮社の久保田裕子さんです。今月発売された平川動物公園初の書籍「すごいコアラ!」を編集しました。

(新潮社 久保田裕子さん)「コアラの本は図鑑の一部だけで、コアラ単体はあまりない」

本の出版は久保田さんが園に送った手紙から始まりました。

(平川動物公園コアラ担当 落合晋作さん)「久保田さんはコアラ大好きで、俗にいう“コアラー”。本を出したい思いを直筆の手紙で(もらった)。熱い思いを見て、とんでもない人が当園のコアラを取り上げてくれることになるのかなと、嬉しく思った」

(新潮社 久保田裕子さん)「人生やり残したことはないくらい」

写真だけでも個体の識別ができてしまう『コアラー』久保田さんの推しポイントは“寝相”。書籍にもかわいい寝相が紹介されています。

(新潮社 久保田裕子さん)
「この子はノゾムです。幸せそうに口角を上げて寝てます」

「アサヒはよく半目になって寝ている」

「アーチャーは結構、個性的な寝方」

(新潮社 久保田裕子さん)「一頭一頭、寝相が寝顔も含めて違うので、そこも注目ポイント」

そのほか本には、繁殖に欠かせないお見合いの様子や、飼育員目線の至近距離コアラなど、普段見られないショットも盛りだくさんです。さらに、飼育の裏側も。

(平川動物公園コアラ担当 落合晋作さん)「コアラはユーカリがほぼ100%のエサ。ユーカリがないと生きていけない。まずユーカリの栽培・管理がコアラ飼育の根底にある」

園では、県内各地およそ40か所で2万本以上のユーカリを栽培。管理から伐採まで飼育員たちが一貫して行っています。18匹のコアラに1日に与えるユーカリの量は、およそ125キロ。1日5品種ほどのユーカリを混ぜてあげられるようにしています。

(平川動物公園コアラ担当 落合晋作さん)「葉っぱの形・匂い・コアラからしたら味も違う。ビュッフェみたいに、どれかコアラが喜んで食べてくれるものがあるようにと心がけている」

「少しでも園での暮らしに幸せを感じてほしい」飼育員の思いが伝わる写真はほかにもありました。

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