去年2月、福島県いわき市で起きた強盗殺人事件の裁判員裁判が29日に始まり、被告の男は「家の物色はしていない」と起訴内容を否認しました。
強盗殺人の罪に問われているのは、別の罪で福島刑務所に服役中の木村進被告(53)です。
起訴状によりますと、木村被告は去年2月、いわき市勿来町にある小松ヤス子さん(当時85)の家で、金品を奪い取ろうとして、ハンマーで殴り、殺害したとされています。
29日の初公判で、木村被告は「小松さんをハンマーでたたいたことは認めるが、家を物色したり物を盗んだりはしていない」と起訴内容を否認しました。
検察は、冒頭陳述で「被告は生活に困窮していて、小松さんに家賃収入があることを知っていたため、家の中が土足で物色された状況だった」と指摘しました。
一方、弁護側は、「家を訪れた時には小松さんはすでに倒れていて、被告はパニックになって殴り、ほかに犯人が潜んでいると思い家を徘徊した」と説明。「金品を奪おうとはしておらず、強盗殺人ではなく殺人罪にとどまる」と主張しました。
30日は被告人質問が行われ、判決は11月6日に言い渡されます。
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