全国に広がる“闇バイト事件”。なぜ若者たちは闇バイトに手を染めてしまうのでしょうか。
“闇バイト”足踏み入れる若者が後を絶たず…背景に「SNSでのバイト探し」
「段ボールを運ぶだけ!一件5万円から」。
このバイト、魅力的に映るでしょうか。今、闇バイトに足を踏み入れる若者が後を絶たちません。背景にあるのは、バイト探しでSNSを使うことが当たり前になっていること。
ある調査では今バイトをしている高校生のうち、46%がSNSで直接バイトを探した経験があり、34%が実際に応募して働いた経験があるというのです。
犯罪行為をさせられる認識が無い人も…
SNSで「高額バイト」などと検索するとすぐ闇バイトのアカウントが出てきますが、中には犯罪行為をさせられると認識しないまま、応募してしまう人もいます。次のうちどちらが闇バイトか分かるでしょうか。
【A】:初心者大歓迎電話受付のお仕事です時給1400円から
応募サイトから今すぐエントリー!
【B】:初心者大歓迎電話受付のお仕事です。DMにて応募された方のみ!「限定3名様」5万円から。
闇バイトは【B】です。
特徴は報酬が異様に高いこと。社会経験がある人ならすぐ見抜けるのでは?と感じるかもしれませんが、高校生にこうしたクイズを3問出したところ、闇バイトをすべて見抜けた人は全体の2割ほどしかいませんでした。
さらに闇バイトの特徴なのは「DM=ダイレクトメッセージ」を使わせるというところ。Xやインスタグラムなど、若者の誰もが使っているアプリのダイレクトメッセージで接触して、ここからメッセージが一定の時間で消去できる秘匿性の高い、別の通信アプリ「テレグラム」や「シグナル」などをインストールするように誘導されます。
抜けられなくするため個人情報を送付させ、拒否すれば脅迫も…
そして、応募者が抜けられなくするために個人情報を送付させます。
警察庁によると、言葉巧みに自分の顔と住民票などを一緒に映した自撮り写真を送信させたり、家族構成や家族の勤務先、さらに交際相手の名前まで送らせたりします。
住んでいるマンションのエントランスから部屋までの道のりを動画撮影するよう指示されるケースもありました。
これらの情報は犯行を拒否しようとすれば、ただちに脅迫に使われます。中には、「逃げるとこうなる」と男が殴られている動画が送信されてきた事例もありました。
実際は報酬をもらえず“捨て駒”に
短期間で稼ぎたいというのが応募する動機ですが、実際にお金を手にできることはほとんどありません。
報酬は後でまとめて払うと言われたり、次もやったら渡すと言われますが、結局払われることはなく、逮捕されるまで捨て駒として使われます。
相次ぐ事件を受け、警察庁は「あなたやご家族を確実に保護します。安心して今すぐ引き返して下さい」と呼びかける動画を投稿(18日)。一週間で、3人もの人たちが相次いで保護を求めてきたといいます。
底が抜けたように若者が陥る闇バイトの罠。人生を台無しにしないよう引き返す勇気が求められます。
(「サンデーモーニング」2024年10月27日放送より)
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