27日に投開を迎える衆議院選挙の長野県内5つの選挙区の戦い。
長野市や須坂市などを中心とする長野1区の最終盤を迎えた三つ巴の選挙戦を追いました。

長野1区には、届出順に、
日本維新の会・新人の若狭清史(わかさ・きよし)さん、
立憲民主党・前職の篠原孝(しのはら・たかし)さん、
自民党・前職の若林健太(わかばやし・けんた)さんの3人が立候補しています。


若狭清史候補:
「国民負担率がここ数年で46から48、もう50%付近までずっと来ているわけでしょ。皆さま方が一生懸命納めた税金をきちっとした運営をしていかなきゃいけないのに」
「このまんまだったら防衛もお金かかります。社会保障もかかります。そうだ教育もお金かかるね、そうだ増税をしようこんな議論になってるんですよ」

日本維新の会・新人の若狭清史さん。

長野市出身で、東京の税務会計コンサルタント会社の役員を務めています。

「政治不信からの脱却」を掲げ、国政に初めて挑戦しました。

10月22日には藤田文武幹事長が長野市まで応援に駆けつけ、一緒に市街地を歩くなどして、党が掲げる身を切る改革への支持を訴えました。

藤田文武幹事長:
「とにかくムダを省いて私たち維新の会は国民の皆さんに還元し負担を下げる。そして消費を上向きにさせて改革で成長して安心してもらえる国をつくる」
「本当に即戦力。海外で働いてきた。コンサル会社ですでに政策設計や政治を動かそうととにかく走り回って民間を支えてきた。そういう人材であります」

若狭候補:
「社会保険料一つとっても閣議決定でどんどん決められていってしまう。そして物価がどんどんどんどん上がっていって、生活がとにかく苦しい。一般国民が消費するチャンスがほとんどない現状があるわけです。30年間どんどんどんどん」
「政治家は結果が命です。だからこそ私は結果責任を負う政治をやりたいんです」

訴える政策の3つの柱が、消費税に頼らない税制改革、財源や権限の地方への分散、そしてアメリカなどとの対等な外交関係の構築です。

選挙カーでの遊説や街頭での辻立ちのほか、友人・知人の関係先を回り支持を訴えています。

若狭候補:
「政治家が政治を行う環境をつくる。やることやったらきちっとバトンタッチしていく」
「皆さま方に本当に必要な政治っていうものを、失われた30年間を取り戻すための政治ってものを理解していただきたい、訴えていきたいなとそういう意味でやる気に満ちています」

篠原孝候補:
「国民の懐、生活者の懐、これを豊かにしないで自分の懐・選挙資金に充てていた」
「裏金は氷山の一角、こういう人たちに政権を担わせてはいけません」

立憲民主党の前職・篠原孝さん。

街宣車には、一番目立つように、そして街頭でも、徹底して自民党の裏金問題を批判し、改革には政権交代が必要と訴えます。

その際に必ず触れるのが自民党を割って出た羽田孜元総理の言葉です。

篠原候補:
「自民党だけだと政治は腐敗していくばっかりだ。自民党で直そうと思ったけどだめだと。もう一つの党を作ってその党が政権を取らないと変な癒着は断ち切れないと。そうするために2大政党制が必要だと」

4期連続で守ってきた小選挙区の議席を、6400票余りの差で明け渡した前回。

新型コロナを警戒し、演説などの活動を自粛したことも響いたとし、今回は積極的に有権者と接します。

準備期間の短さから回数こそ以前より少ないものの、運動の軸に据えているミニ集会も復活しました。

23日は今回の選挙で初めて、県外からの応援弁士が街頭に立ちました。

塩村あやか参議院議員:
「実質賃金が上がらないのは政治の責任です。今回の選挙はこれまでの30年間を変える、失われた30年間を変える、反転攻勢をかける、そういう大きな選挙だと思っています」

夏場のコメ不足や価格高騰に関しては政府の対応を批判します。

篠原候補:
「どうしてこうなったか。ないがしろにしすぎてきたんです減反減反で」
「高くなったから買わないとかそういうものじゃない。これは政府が責任をもって低所得者も買えるようにしておかなきゃいけなんです」

大都市に集中する税収を見直し、地方の活性化を図ることや、農家への所得補償や地産地消による農業の振興といった政策に加え、最後まで「政治とカネ」の問題を訴える構えです。

篠原候補:
「多くの人が頑張れという意味で手を振ってくれている」
「政治とカネに対する関心は今のほうが高まっていると思いますね」
「やっぱりおかしいというのを気が付いて直さなければと。そのためには自民党政権・石破政権ではだめだというふうにわかっていただいてるんじゃないかと思います」

若林健太候補:
「ご支援をいただいている皆さんにご苦労をおかけしてしまっていること、本当におわび申し上げたいと思います」

自民党・前職の若林健太さん。

税理士・公認会計士で、2010年から参議院議員を1期務め、前回2021年に衆議院議員に初当選しました。

派閥パーティー券の不記載によるいわゆる「裏金」問題で、比例への重複立候補はなく、演説では、改革姿勢を強調します。

選挙の序盤には、石破茂総理の応援も受け、議席の維持を目指します。

若林候補:
「目の前にある具体的な課題にしっかり答えを出して、そして5年、10年先の夢を形にするそれこそ未来への選択なんです」
「皆さんの力をいただいて大きなうねりを起こして、そして最後に勝ち抜いていく」

会場が満員となった企業・団体の決起集会には、若林さんが総裁選で投票した高市早苗さんも応援弁士として駆けつけました。

応援弁士・高市早苗さん:
「若林健太さんは重量級の予算委員会担当。それから元々公認会計士で経済も明るいですから、経済産業委員会担当」
「児童手当の抜本的拡充とかそれから防衛費ですね、これも必要な増額ですとかしっかりと盛り込んだこの予算、成立にこぎつけたその立役者であると」

若林候補:
「さまざまな陳情案件、国との窓口役を務めさせていただいてまいりました」
「地域の案件ていうのは町でできることもあります。しかし多くは国、県、市、みんなで一緒になって取り組んでこそ、解決していく課題がいっぱいあるんです」

エネルギーや食料の確保を含めた安全保障、東京一極集中の是正、また国と地域のパイプとしての役割を強調。

街頭演説や集会、企業回りなどを重ねています。

若林候補:
「この3年間、北信じゅうの国との窓口を務め、さまざまなものが動き出している。この動き出した北信の流れを止めないでくれ。10年先のこの地域の未来を作ってまいりたいと」
「ただひたすらお願いする全力で駆け抜けるということです」

いよいよ27日に迫った衆議院選挙の投開票。

三つ巴の論戦は、26日に最終日を迎えます。

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