10月27日に投開票される衆議院議員選挙。各地で激しい選挙戦が行われています。今回は「政治とカネ」の問題がくすぶっている、東大阪市を選挙区とする「大阪13区」と、泉佐野市や貝塚市などを含む「大阪19区」の候補者に、それぞれの訴えを取材しました。
▼東大阪市を選挙区とする大阪13区
(自民党・前職 宗清皇一さん)「政治資金の問題でご迷惑おかけしました。どれだけ皆さま方が、私の心の支えになっていただいたことか」
出陣式での第一声、お詫びと感謝を口にしたのは自民党公認の前職・宗清皇一さん(54)です。
派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、1408万円を政治資金収支報告書に記載しておらず、党から6か月の役職停止処分を受けました。
(街の人)「頑張ってもらわないかんで」
(自民党・前職 宗清皇一さん)「はい、絶対に勝ち抜きますから。よろしくお願いします」
(街の人)「今度比例はあかんの?」
(自民党・前職 宗清皇一さん)「そうです」
(街の人)「あ~厳しいなあ」
今回、党から公認は得られましたが比例代表との重複立候補は認められず、前回の衆院選で比例復活した宗清さんにとっては厳しい戦いになります。
改めて政治資金の不記載について聞くと…
(自民党・前職 宗清皇一さん)「全部厳しい捜査を受けて、私的なお金の流用は何もないと、全部証明してくれてるんで。でも、ご迷惑をかけたことにおわびをしている」
不記載については「説明責任を果たしてきた」という宗清さん。『働けば所得が増える社会』の実現を訴えます。
(自民党・前職 宗清皇一さん)「これからの政治に求められているのは、大阪がもっとよくなった、地方が元気になった、そして中小企業、そこで働く方々が頑張ったら希望が見えるんだと。所得が増える、儲かるんだと、そういう経済を作っていく必要がある」
一方、街宣活動の合間になじみの美容院で散髪する男性。日本維新の会公認の前職・岩谷良平さん(44)です。
(日本維新の会・前職 岩谷良平さん)「この髪で万歳します」
岩谷さんは前回の衆院選、この大阪13区で初当選。自民党が裏金問題に揺れる中、今回は盤石かと思いきや…
(街の人)「いつも応援してます」
(日本維新の会・前職 岩谷良平さん)「本当ですか、頑張ります。ありがとうございます。最近、維新はどうですか」
(街の人)「大阪は強いけど、日本中に行きにくい。やり方が悪いと思うわ」
兵庫県の斎藤前知事をめぐる問題の影響などを受け、こちらも厳しい風を感じているといいます。
今回、維新の会は結党以来初めて、ほぼ全ての候補者について比例復活の可能性を断っていて、岩谷さんも背水の陣。そんな岩谷さんが訴えるのは『将来世代への投資』です。
(日本維新の会・前職 岩谷良平さん)「教育無償化っていうのは強く訴えてます。機会の平等というのもありますし、少子化対策でもありますし、同時に子育て世帯の手取り額を増やす施策でもありますから、これは経済成長戦略でもあると思っています」
政治の原動力も「子ども」だといいます。
(日本維新の会・前職 岩谷良平さん)「40歳の時に子どもが生まれましてね。それを機に、小さい子どもたちが大人になったときに日本がどうなっているんだろうと思ったときに、このままじゃいかんだろうと。最近(子どもと)警察ごっこしてます。『次はパパが泥棒になって』って言うから、追いかけられてます。(子どもに)逮捕されてます、何度も」
日本共産党公認の新人・宝井晃美さん(60)は、政治とカネの問題を争点に掲げ、支持を訴えます。
(共産党・新人 宝井晃美さん)「東大阪の自民党の候補者、どうですか。1408万円もの巨額な裏金作りをしていても、『ごめんなさい』で許されるんです」
今年の8月まで39年間看護師をしていた宝井さん。人前で話すのはあまり得意ではないそうで…
(共産党・新人 宝井晃美さん)「高等教育まで無償化にすべきだと思っています。入学金はゼロ。ぜひとも、皆さんが安心して教育を受けられる、そんな政治に変えたいと思っています」
(共産党・新人 宝井晃美さん)「(Qかなり緊張していた?)はい。もうカメラ、マイクはもうそれだけで詰まってしまう。頭が真っ白になってしまいます」
宝井さんは有権者からの声を大切にしているといい、大きなアンケートボードを使って「実現してほしいこと」を直接聞き取ります。
(学生)「税金のちゃんとした使い方ですかね」
(共産党・新人 宝井晃美さん)「そうです、その通りだと思います。そのために頑張りますので。絶対に政治で実現してほしいことを言っていただければ、議席が増えたら、頑張りますので」
尊敬するのはナイチンゲールだという宝井さん。看護師経験をもとに『命を守る政治の実現』を訴えます。
(共産党・新人 宝井晃美さん)「人間が生きていくために最低限必要な物に消費税をかけるっていうのは、それ自体がもう命をないがしろにしている政治と思うので、それ自体も変えたい」
(れいわ新選組・新人 八幡愛さん)「八幡愛を国会へ連れてって!お願い、大行進~。イエ~イ」
ピンク色の旗をなびかせ行進する一団。その先頭にいるのは、れいわ新選組公認の新人・八幡愛さん(37)です。
瓢箪山駅から布施駅まで約7kmの距離を歩いて街宣する「大行進」。「れいわカラー」のピンク色のシューズをはいて、すれ違う有権者に訴えかけます。
(れいわ新選組・新人 八幡愛さん)「『八幡』って書いたってください、一票。頑張りますんで。ありがとうございます」
(れいわ新選組・新人 八幡愛さん)「(Q7km歩くのはなぜ?)(選挙戦略を決める人が)自衛隊出身で、すごく歩かすんですよ。みんなで耐久チャレンジみたいなことが好きみたいで。『根性を示す』みたいな」
一方的な演説ではなく、その場にいる一人一人との対話を心がけているといいます。
(れいわ新選組・新人 八幡愛さん)「れいわ新選組の八幡愛。ジャパンファースト。ぜひ知ってやってください。まずは東大阪のあなたを守るために、私、手を挙げたんで」
そんな八幡さんが訴えるのは廃止も見据えた『消費税の減税』です。
(れいわ新選組・新人 八幡愛さん)「庶民の感覚を分かっている政治家がいないと思うんですよ。私貧乏だったんですけど、そういうリアルな肌感覚とかを知っている私なんかが国会にいた方が絶対に伝わるし、世の中ちょっとでもマシになると思うんですよ」
(れいわ新選組・新人 八幡愛さん)「しっかりと日本を守っていく。そしてあなたを守っていく。子どもたちの未来を守っていく。だから一緒に変えていきましょう」
▼泉佐野市や貝塚市などを含む大阪19区
ここでもいわゆる「裏金問題」がくすぶっています。
自民党公認の前職・谷川とむさん(48)。派閥の政治資金パーティを巡る問題で188万円を政治資金収支報告書に記載していませんでした。
今回、公認は得られたものの、比例代表との重複立候補は認められず。前回比例で復活した谷川さんには厳しい戦いかと思いきや、有権者の反応は良いと言います。
(自民党・前職 谷川とむさん)「去年の12月くらいからそういう報道がされてからですね、お一人お一人、またグループグループにずっとこの半年間ぐらい説明をさせていただいていたので、ご理解いただいているので。今回、選挙だからというよりもっと前から説明責任を果たしている」
背水の陣で臨む谷川さんは『物価高対策』などを訴えます。
(自民党・前職 谷川とむさん)「ガソリン・電気代・ガス代の補助が今年で終わります。しっかりと延長・拡充をさせていただきまして、皆さんの家計の負担を少しでも軽減できるように取り組みを進めていきたいというふうに思っています。今、物価がどんどん上がっている。しかし、物価高を超える賃上げをしなければ、皆さんの生活は豊かになりません」
一方、老人ホームで訪問診療を行うのは日本維新の会公認の前職・伊東信久さん(60)。
6浪の末、医学部に入学し、30歳で医師になりました。2012年に維新の会から出馬し初当選、議員活動と医師の二足のわらじを履いてきました。苦学生だったという伊東さん、自民党の裏金問題を強く批判します。
(日本維新の会・前職 伊東信久さん)「この大阪19区においても、残念ながら裏金議員の方がおられます。188万円です。188万円もの記載漏れで済まされるという。これはやっぱり、自分自身がお金でね、苦労したからかもしれませんが、どうしても許すことはできないですね」
そんな伊東さんが訴えるのは、自身の経験をもとにした『教育の完全無償化』です。
(日本維新の会・前職 伊東信久さん)「教育の無償化は、これは完全なる無償化をやっていきたいと思ってます。これは全国に広げていかなくてはいけないですし、国においても、党とか関係なく、政権与党がどこであろうと、ずっと続けていきたいと思います」
(共産党・新人 北村みきさん)「日本共産党の議席をどうか伸ばしてください」
ピンクのジャケットに身を包むのは共産党公認の新人・北村みきさん(58)。北村さんも政治とカネの問題を厳しく批難しています。
(共産党・新人 北村みきさん)「まず(裏金問題の)解明をすべきだと思います。みんな疑問に思ってますし、みんな怒ってます。どういうふうにしてお金を貯めたのか、何に使おうとしてたのかなど、はっきりさせるべきですし。それなしに出馬していること自体がおかしい」
北村さんは元学校教師で退職後、泉州へと移り住んで15年。今回が4度目の国政への挑戦となります。
(街の人)「もうちょい頑張りましょう」
(共産党・新人 北村みきさん)「もうちょい頑張りましょう。ありがとうございます」
非常勤講師としても働いていた経験がある北村さん。選挙では『暮らしの改善』を訴えます。
(共産党・新人 北村みきさん)「消費税減税でしょ。社会保障を手厚くするでしょ。教育予算を増やして学費の負担を減らすんです。どの世代も大事にする政治が今必要なんです」
衆院選の投票は10月27日(日)で、即日開票されます。
(2024年10月22日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『特集』より)
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