東京証券取引所の職員が業務で把握した未公開の情報を親族に伝え、インサイダー取引に関わった疑いがあるとして、証券取引等監視委員会から強制調査を受けていたことが分かりました。

金融商品取引法違反の疑いで強制調査を受けたのは、東京証券取引所の20代の男性職員です。

関係者によりますと、この職員は今年、株式公開買い付け=TOBの上場企業の未公開情報を業務で把握し、複数回にわたって親族に伝えた疑いがあるということです。

職員の親族は情報が公開される前に株の取引を行い、一連の取引で少なくとも数十万円の利益を得たとみられています。

証券取引等監視委員会は先月、職員の自宅などに強制調査を行っていて、東京地検特捜部への告発も視野に取引の状況を詳しく調べています。

株式の売り買いの監視や上場企業の指導も担う証券取引所の職員がインサイダー取引の疑いで調査を受ける深刻な事態に、職員の多くは硬い表情で出社していました。

東証を傘下におく日本取引所グループは「東証の社員が調査を受けていることは事実で、全面的に協力する」としたうえで、「多大なご迷惑をおかけして深くお詫びする」とコメントしています。

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