今月27日に投開票が行われる衆院選と参院岩手選挙区補選の候補者の戦いぶりを伝えるシリーズ「衆参ダブル選・候補者を追う」。2回目は、県都盛岡を抱える衆院岩手1区の三つどもえの選挙戦です。

衆院岩手1区には前職と新人合わせて3人が立候補しています。県内の3小選挙区の中では唯一の三つどもえの選挙戦です。

自民党の新人で元岩手県議会議員の米内紘正(よない・ひろまさ)氏。内閣総理大臣などを務めた米内光政のひ孫に当たる米内氏にとって今回が初めての国政選挙への挑戦です。東京から岩手に移住して6年。有権者との接点を増やして知名度の向上を図ります。運動期間中500回を目標に掲げる街頭演説は、短時間でも車を降りて小まめに演説を行うことを徹底しています。
米内氏は、裏金問題が争点の1つとなっている今回の選挙で与党に対する逆風を肌で感じています。

(米内紘正氏)
「選挙カーでまわっていても、どうしても自民党に対する不信感というか、ちゃんと何を喋るかというのを聞いてもらわないと」

今月19日の夜に盛岡市内のホテルで開かれた総決起大会で、米内氏は集まった約600人を前に今回の挑戦に懸ける思いを熱く訴えかけました。

(米内紘正氏)
「岩手県の現状が課題が県議会の中で見えてきました。だから、いまこう岩手県をしたいんだ、地方をこうしたいんだ。それが日本のためになるんだということを実現したくて、国政に挑戦するんです」

失われた党への信頼回復とその先にある岩手や地方から日本を豊かにすることを目指して37歳の挑戦が続きます。

立憲民主党の前職・階猛(しな・たけし)氏は選挙戦2日目の16日、対立候補の拠点でもある盛岡市松園地区で街頭演説を行いました。

(階猛氏)
「もう最初の選挙の時から熱烈に応援してくれる方がたくさんいらっしゃる、本当に大事な地域ですね」

立憲民主党の公認候補でありながら、過去の経緯から立憲民主党県連に所属していない階氏。その戦いを支えるのが、所属政党が変わっても国民の声を国会に届けてきた6期17年の積み重ねによる経験です。

(階猛氏)
「やっぱり一方通行じゃなくてちゃんと。代議士と言うのは、国民の代わりに議論する人ですから」

街頭演説を終えた後もほとんど休む間もなくインターネットでのライブ配信の準備。

(階猛氏)
「体力の限界はもう超えているような気はしますけど気力ですよね」

ハードスケジュールもなんのその。追い風に逆風、これまでさまざまな選挙を経験してきたことが階氏の強みです。

(階氏)
「いつも私は言っているんですけど、思った通りにはならないけど、やった通りにはなる。というふうに私は考えてて、だからやらないと駄目だと」

東大野球部OBでもある階氏今回も直球勝負の全力投球で7回目の当選を目指します。

(吉田恭子氏)
「今度の選挙は暮らしを守るために日本共産党。まずは消費税」

日本共産党の新人・吉田恭子(よしだ・きょうこ)氏は衆院岩手1区への挑戦が今回で5回目です。選挙戦も中盤に入った19日の午後、雨の盛岡市で街頭演説を行いました。党組織のバックアップが吉田氏の大きな強みです。選挙事務所となっている共産党県委員会では党員らがチラシの配布などで選挙戦を支えています。

(吉田恭子氏)
「街頭に来てくださる方とか、あとはここのスタッフをやってくださる方とか。本当に一緒になって政治変えようというところで頑張っているので」

一息ついたのもつかの間、再び街頭に繰り出します。
20日は党幹部が盛岡駅前で吉田氏への支持を訴えました。集まった聴衆は約500人。それに加えて県内13か所の集会所などで300人がインターネット配信を視聴しました。

(吉田恭子氏)
「皆さんとご一緒に全力で頑張り抜きます。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます」

政治とカネの問題で与党に逆風が吹く今回の選挙戦は、党勢拡大のチャンスと5度目の挑戦に力が入ります。

無党派層も多く風の影響を受けやすいとされる岩手1区。県都盛岡を中心とした戦いを制するのは誰か?三者三様の選挙戦が続きます。

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