日本の南海上で熱帯低気圧発生へ 発達すれば台風20号に
日本列島は真夏日から一転、冷たい北風が吹いて気温が急降下していますが、日本の南の海上に目を向けると、フィリピンの東海上からマリアナ諸島にかけての海域には雲がまとまっているエリアがあります。
気象庁が発表している予想天気図では、日曜の夜までに熱帯低気圧になると予想されています。この熱帯低気圧がさらに発達して中心付近の最大風速が17.2m/sを超えると台風となります。もし台風となれば台風20号となります。
現在、日本列島の沿岸付近の海水温は9月までに比べると下がってはきましたが、日本の南の海上ではまだ広く30℃前後のピンク色のエリアが広がっています。台風周辺の風の状況が条件がよければ台風まで発達できそうな場となっています。
では台風となる予想はあるのでしょうか。また日本列島に接近の可能性はあるのでしょうか。気象庁や欧米の予想を比較しながら見ていきましょう。
衆院選の投開票日に日本列島に接近も?気象庁のアンサンブル予報
気象庁(JMA)
気象庁が週間天気などの予報に用いる資料の一つ、アンサンブル予報の結果です。「アンサンブル予報」は、数値予報の計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて確率的に予想するものです。
10月27日(日)21時の予想図について51メンバーの結果をみると、日本列島付近に熱帯低気圧または台風となったモノが北上してる結果が多くなっていることがわかります。中には直撃しているものも見えます。
また日本の南にあるケースでも、日本列島付近に秋雨前線がかかって降水が予想されている結果も複数みられます。
気象庁の別の計算モデルの結果では、九州の西の海上を北上する予想もあります。
【画像を確認】秋雨前線の影響や台風接近も 30日までの雨・風シミュレーション
海外予報モデル 日本列島への北上を示唆する予想結果も
アメリカ軍合同台風警報センター(JTWC)
アメリカ・ハワイにあるアメリカ軍の合同台風警報センター(JTWC)の情報です。ここでは監視すべき対象となりうる熱帯低気圧についての情報や台風となった場合の警戒情報などが表示されます。
20日0時の時点で、気象庁が熱帯低気圧の発生を予想しているのと同じ海域で「96W」として赤色の丸で囲まれています。JTWCでは定めた基準以上に発達する雲のまとまりができると、LOW(黄)→MEDIUM(オレンジ)→HIGH(赤)へとレベル分けして情報を発表します。赤色になると24時間以内に定めた基準以上の熱帯低気圧に発達する可能性が高いことを示しています。
LOW(黄):監視対象ではあるが、今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する可能性は低い
MEDIUM(オレンジ):今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する可能性も高まっているが、発達するには24時間以上かかる見込み
HIGH(赤):今後24時間以内に基準以上の熱帯低気圧に発達する見込み
アメリカ海洋大気庁(NOAA)
アメリカ海洋大気庁のアンサンブル予報結果です。気象庁の予想とは異なり、「96W」は北上ではなく西へと進むと予想していて、フィリピンを通って南シナ海へと進む結果が多くなっています。
また96Wの東側の雲域について「95W」として、アンサンブル予報の結果を公表しています。こちらも西寄りへと進路を取るとみています。
10月27日(日)21時のアンサンブル予報結果をみると、気象庁に比べると北上させるデータは少なくなっています。
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ヨーロッパ予想では沖縄周辺や日本列島に接近させる予想結果も多く
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)
ヨーロッパ中期予報センターでは、予想時刻までの48時間以内に、風速17m/s以上の熱帯低気圧が300km以内のエリアに入る確率を示した予想データを発表しています。その結果を見てみましょう。
22日の確率をみると、フィリピンの東の海上に、確率が高くなっているエリアが現れます。これが気象庁が予想している熱帯低気圧やアメリカが予想している96Wにあたるとみられます。
その後の予想を見ると、29日ごろに南西諸島から東シナ海あたりでやや確率が高いエリアがみられます。台風が北上してくる可能性があることを示しています。気象庁と比べると北上のタイミングは遅くなっています。
ヨーロッパのアンサンブル予報における10月27日21時の予想図です。アメリカの予報に比べると、台風または熱帯低気圧を北上させるデータが多くなっていて、南西諸島付近や一部は日本列島へと北上させています。
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※台風の最新情報については気象庁発表する台風情報をご確認ください。
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