パトカー追跡中に事故を起こし、その後ベトナム国籍の会社員の男(24)が酒気帯び運転などの疑いで逮捕された事件で、広島県警は18日、逮捕した男は、別のベトナム国籍の技能実習生の男(24)の身代わりで出頭してきていたと発表しました。

警察によりますと、技能実習生の男(24)14日午前0時20分ごろ、福山市三之丸町の市道を無免許で乗用車を運転し、縁石に衝突する物損事故を起こしたにもかかわらず、そのまま逃走した疑いがもたれています。

この事故の前、約1キロ離れた場所で、この車がガードパイプにぶつかったところを、パトロール中のパトカーが確認。車がその場を離れたため、マイクを使って停止を求めるなど、追跡していたとろ、縁石に衝突したということです。

運転していた男は、車を乗り捨ててその場を立ち去っていました。しかし約1時間後、立ち去った男と同じ服を着た会社員の男が現場に訪れました。その際、「酒を飲んで運転し、事故を起こした」などと話したことから、警察は会社員の男が事故を起こしたとみて酒気帯び運転や当て逃げなどの疑いで逮捕・送検していました。

しかし、この会社員の男が16日に「本当は運転していない。一緒に飲みに行っていた知人のベトナム人が勝手に私の車に乗って交通事故を起こした。事故後、私のところに戻ってきた男が身代わりを依頼してきたので、来ていた服を交換した。警察署から早く出て普通の生活に戻りたい。ウソをつき通すことが精神的につらくなった」などと話したといいます。そのため、男の話に基づき、防犯カメラの映像や目撃者の証言などを捜査したところ、技能実習生の男と、事故の前にほかの複数名と飲食店で飲酒をしていたことや、事故後に飲食店近くの屋外で服を入れ替えていたことがわかったということです。

身代わりで出頭し、酒気帯び運転などの疑いで逮捕された会社員の男は、18日付で釈放されたものの、同日、犯人隠避の疑いで逮捕されました。

2人とも、容疑については認めているということです。警察は技能実習生の男が酒を飲んで運転していた疑いもあるとみて、捜査を続けています。

福山東警察署の内田広秋副署長は「誤認逮捕であったことは事実であり、真摯に受け止めている。事案の真相解明とともに、誤認逮捕に至った経緯を確認し、客観証拠による疎明を徹底して、再発防止に努めます」とコメントしています。

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