全国で流行する「マイコプラズマ肺炎」についてです。子どもの患者が大半だと言われていますが、大人も油断はできません。

末川徹記者
「秋の空気が入り、1日の気温差が大きくなってきました。広島市内の医療機関では、咳の症状を訴える患者が増えてきているといいます」

マイコプラズマ肺炎は、長引く咳が特徴の呼吸器感染症です。ほかにも発熱や倦怠感、頭痛などの症状を引き起こします。インフルエンザなどと同じ、5類感染症に分類されます。

広島市によりますと、10月13日までの1週間に報告された患者の数は、1医療機関当たり5.67人でした。7月ごろから急増し、全国的に見ても高い状態が続いています。

厚生労働省によりますと、例年、報告される患者の約8割が、14歳以下の子どもだといいますが、大人も注意が必要です。

患者
「2週間くらい咳とたんが止まらない。熱は出たり、出なかったり」

「10月に入り、咳が出はじめ治らない」と話す60代男性が受診しました。

マイコプラズマ肺炎の検査を実施しました。結果は、陰性でしたが…。

広島ハートセンター 木村祐之院長
「マイコプラズマ肺炎ではない。別の細菌・ウイルス性か。肺炎は間違いない」

男性は、抗菌薬を服用して、経過を見ることになりました。広島市などは、「マイコプラズマ肺炎は、1年を通じて秋冬に増加する傾向がある。手洗い・咳エチケットなど基本的な感染予防対策を心がけてほしい」としています。

別名は “オリンピック肺炎” 感染予防策は

青山高治キャスター
マイコプラズマ肺炎は、発熱や全身の倦怠感、頭痛・咳などの症状が出ます。患者の多くは若い年齢層で1年を通して報告されています。県全体で一つの医療機関当たりの患者数は2.9人。こちらも全国平均よりも多い数字となっています。
今回は木村さんの病院広島ハートセンターで取材させていただきましたが、木村さんは広島県の現状をどのように見ていますか?

広島ハートセンター 木村祐之 院長
昔から “オリンピック肺炎”と呼ばれて、4年に1回、オリンピックの年に流行すると言われている。広島が他県より高いってのはちょっと理由はちょっとよくわかりませんが、だいたい4年ごとに免疫がなくなってきて、流行するっていうのが、この肺炎の特徴です。

中根夕希キャスター
これって重症化するケースもあるんですか?

木村院長
そうですね、一般的にはですね、若い人の空咳と熱で最初に病院に行って、風邪って診断されて、実は風邪薬もらったけど治らなくて、次に来るとマイコプラズマ肺炎を疑う…というのが一般的な流れだと思います。最初からいきなりマイコプラズマ肺炎を疑って…というのはなかなか難しいかもしれないですね。

中根キャスター
季節性とかっていうのはあるんですか?

木村院長
昔は4年に1回、冬にかけて起こるっていうのが、夏のオリンピックがあった年の冬に流行るっていうのがあって、“オリンピック肺炎”と言われる所以なんですけど、今はもう年中、比較的起こりやすくなっています。

中根キャスター
これから寒くなって空気も乾燥してくるわけじゃないですか、インフルエンザの流行時期にも入りますども、感染予防策っていうのはどうすればいいんですか?

木村院長
基本的には、この肺炎はマイコプラズマという細菌が感染するんで、“接触感染”または“飛沫感染”なので、コロナとかインフルエンザより感染力が強くないので、マスク・手洗いで人の咳を直接浴びて気道に入らない限りは発症しない。

あと上気道という器官ではなくて、下気道っていう肺の方で肺炎を起こすので、なかなかそこまで到達しない。感染力としてはコロナとかインフルエンザよりも弱いので、あまり恐れすぎないのが大事。かかったとしても抗生物質がかなり効くので診断するのが大事。

青山キャスター
あとは本当にもうコロナ災ときを我々が経験した手洗いうがいマスクだったりとかああいうことをやっていれば?

木村院長
大丈夫です。

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