能登半島地震で津波に襲われた新潟県上越市の直江津地区で避難訓練が行われました。能登半島地震を教訓に、車を使った避難を取り入れましたが、そこで見えた課題とは?

この訓練は、上越市で震度6強を観測し、沿岸部に『大津波警報』が発表された想定で行われました。津波避難は『原則徒歩』ですが、能登半島地震では高齢者らの避難を巡って課題が浮き彫りとなり、直江津地区の4つの町内会は『支援が必要な人は車を使う』という新しい避難計画を作っていました。

その4つの町内会のひとつ、港町の避難計画作成に携わった泉秀夫さんです。車と徒歩を組み合わせた避難で、事故が起きるのを危惧していました。

【上越市港町防災対策委員会 泉秀夫委員長】
「人も車も一緒になるんですよ。残念ながら、うちの町内のこの小学校には入口が校門しかない」

この日の訓練では、およそ1900人のうち56人が車で避難をしましたが、車と人との接触はありませんでした。

泉さんは避難訓練に参加した高齢者に声を掛けます。

泉秀夫さん「きょう車できたの?」
住民「車」
泉秀夫さん「偉い。ようやく、やってみる気になった?来てみれば、歩くよりはるかに楽でしょ?」
住民「私、足が悪いからさ」

元日の地震では避難できなかった高齢者も、この日は車で避難場所にたどり着くことができましたが、“車避難”にも課題が残されているようです。

【参加者】
「ここには、すっと入られたからよかったけど、渋滞したとき困るなと思って、ちょっと心配」

【上越市港町防災対策委員会 泉秀夫委員長】
「冬の除雪に伴い道路が狭くなったり、歩道がつぶれたりする。今のうちに早く動かないと」

【上越市 中川幹太市長】
「能登半島地震の際には、多くの渋滞が起こってしまったことがありますので、市内全域で地震津波対策を、皆さんに知ってもらわなきゃいけないのかな」

上越市は「渋滞を起こさせず、住民を守る方法を考えていきたい」としています。

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